それではTCP/IPとはどんなものでしょうか?
1964年米国のランド・コーポレーションのポール・バランという技術者がそれまでの通信方法とは異なった「パケット交換」という通信方法を考え出しました。 これは情報の流れを分断して細かく分けてパケットと呼ばれる宛先の付いた電子の封筒に入れて送り出すもので、受け取った側ではパケットをほどいて情報を取り出し、元通りの順番に並べて情報を復元するというものです。
この方法は一見すると手間ばかりかかるように思われますが、それまでの一つの情報を送るために回線が占有されるのと違い、一つの回線上にいくつもの通信を混在させて多重化して電送できるので、効率的な回線の利用がはかれる(安価な通信が可能)のです。
このような利点を持つ「パケット交換」ですが、いろいろな約束事(プロトコル)が必要です。 確かに、IBMのSNA、日立のHNAというように、コンピュータを相互に繋ぐ方法がコンピュータ・メーカーによって開発されてきました。 しかし、これらの方法はそれぞれの企業のコンピュータは繋げても他社のコンピュータは接続できなかったのです。 その原因は企業がそのプロトコルに関する権利を主張したことにもありました。 そこで、どこのコンピュータとも繋げるオープンな(開放型の)システムが国際標準化機構(ISO)を中心に研究され、1984年には基本参照モデル(OSIモデル)が作成されました。 しかしながら、その後はメーカーやベンダーの利害もあってなかなか進展しませんでした。
そんななかで登場したのが、TCP/IPです。 このTCP/IPは米国国防総省の高度技術開発局(ARPA)が作ったアーパネットから始まりました。 初めは(1970年)国防総省の委託研究に携わっていた研究機関を専用回線で結ぶネットワークとして発達したのです。 その過程で1974年セルフとカーンは異機種間の通信を可能にする約束事、インターネット・プロトコル(Internet Protocol)トランスミッション・コントロール(Transmission Control Protocol) を発表したのです。 このように、研究機関のネットワーク同士を結ぶネットワークのネットワークとして位置づけられてきたのです。
ARPAはこのプロトコルを無料で無制限に世界に公開したのです。
インターネットがネットワークを結ぶネットワークと言われるゆえんはここにあります。
その後、米国の国立科学財団(NSF)は全米に五つの「スーパーコンピュータ・リサーチ・センター」を開設、これらのセンターを結ぶ高速ネットワーク「NSFNET」を構築、このネットワークの運用を民間に委託しました。
ついでアーパネットは順次この「NSFNET」に取って代わり、これが今日のインターネットのバックボーン(基幹ネットワーク)となっていきます。
「NSFNET」は利用指針(Aceptable Use Policy, AUP) を受け入れた全てのインターネット利用者(商用を含む)に開放されました。 一方で民間のネットワークが集まり「CIX」キックスという相互接続の民間ネットワークも生まれます。 そして、政府、学術、民間の三者のネットワークが相互に接続していきます。 1994年米国の副大統領ゴアは従来のインターネットを民間企業に任せる方針を発表しました。 このようにして、民間に任されたインターネットは全世界に広がり、現在ではその 50% 以上が商用に使われています。なお、「NSFNET」は1995年春に解体されました。
「インターネットの利用者は全世界で約1億人」と言われています。しかし、誰も調べた訳ではありません。 しかしながら、インターネットに登録、接続しているホストコンピュータの数は1996年7月現在、1288万1000台です。 6ヶ月前の1996年1月の調査では947万2000台であったので、この半年で40%の伸びを記録したことになります。 1台のホストには平均10人の利用者がいると仮定すると、全世界では1億2881万人が利用していることになります。 日本ではこのうちの約50万台のホストが登録されていますので、利用者は500万人ということになります。
第一に日本語が使えるソフトウェア上の環境が必要なこと(DOS/V や WINDOWS の日本語版)、勿論、ブラウザと呼ばれるインターネットのソフトウェアも日本語版でないと素人には使えません。
第二に通信で使う日本語には JIS, Shift-JIS, EUC など色々あります。 日本のパソコン通信では Shift-JIS が主流です。 しかし、インターネットに繋ぐ場合は、電子メールやニュースでは JIS になります。 ところが、仮にあなたがニフティの会員ならば、Telnet で使うのは Shift-JIS になります。 使い分けが必要なのです。
第三に欧州の特殊性も考えておく必要があります。 すなわち、パソコンのキーボードも日本のソフトは日本で使われている米国式のキーボードの配列を前提にしています。 そこで、英国式やフランス式のキーボードでは表示の違うものが出てきます。
また、欧州の言語に対応する変換テーブルは日本語を扱う場合には邪魔になることが多く、それらの変換テーブルを無効にしなければなりません。(近頃は選択出来るソフトもでてきています。)
第四は改行の仕掛けについてです。 英語の場合はソフトウェアの中にワードラップの機能を内蔵していて単語の切れ目で自動的に折り返す仕掛けになっていますが、日本語の場合には改行を入れないとならない場合があります。
インターネットとはの文頭へ戻る
インターネットに接続した多くのパソコンネットワーク、例えば、コンピュサーブやニフティサーブの会員にも電子メールを送ることが出来ます。
インターネットと他のパソコン通信の会員とのメールのやりとりの宛名はつぎのようになります。
To Internet From Internet
ASAHIネット (E-mail アドレスのまま) userID@asahi-net.or.jp
日経MIX (E-mail アドレスのまま) userID@mix.or.jp
NIFTY-Serve INET:(E-mail アドレス) userID@niftyserve.or.jp
PC-VAN INET#(E-mail アドレス) userID@pcvan.or.jp
People (E-mail アドレスのまま) userID@people.or.jp
America Online (E-mail アドレスのまま) userID@aol.com
AppleLink (E-mail アドレス)@Internet# userID@applelink.apple.com
Compuserve INTERNET:(E-mail アドレス) userID@compuserve.com
(Compuserve から Internet への発信の場合の userID 100733,2327 はカンマを
100733.2327 のようにドット(ピリオド)に変更する必要があります)
Delphi (E-mail アドレスのまま) userID@delphi.com
MCIMail (E-mail アドレスのまま) userID@mcimail.com
(MCIMail の場合 ID が電話番号の場合はハイフンは省略します)
Prodigy (E-mail アドレスのまま) userID@prodigy.com
サーバと利用者の間に流れる情報やデータ、それらのやりとりにも一定の約束事(プロトコル)があります。 約束事(プロトコル)に従って情報をやりとりすれば後はブラウザが処理してくれます。 サーバには HTTP サーバ、FTP サーバ、WAIS サーバなどがあります。 中でも最も普及しているのが HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)
です。
WWWを使うには URL(Uniform Resource Locater) を知らなければなりません。
これはインターネット上のあらゆるリソースを一つの形式で表すための方法で、プロトコル名、ホスト名、ファイル名などからなります。
例えば、http://www.nihongo.com/diamond/index.html という URL は「httpプロトコルでアクセスできる、www.nihongo.com サーバの、diamond というディレクトリにある、index.html ファイル」を表しています。
WWWの中心になる HTTP(Hyper Text Transfer Protocol) はリンクを使って互いに繋がった一連の情報ページからできています。 ハイパーテキストとは耳慣れない言葉ですが、私たちが本を読んでいるときに分からない言葉やもっと詳しく知りたい項目が出てきたら、辞書を引いたり他の本を調べたりするでしょう。 これと同じようにそのような辞書のページや他の本の特定のページを電子的に結びつけ、本文とその間を自由に行ったり来たりしながら読み進めることの出来る文章をハイパーテキストというのです。
実際には、ページの中で下線を引いてあるテキストをクリックするとリンクされている関連する情報がある(同じサーバの場合もあれば全く別のサーバの)他のページに移ります。 この様にして多くのテキストや絵、場合によってはビデオ情報などを得ることが出来ます。
このようなハイパーテキストを作るための方法を HTML(Hyper Text Markup Language)と言います。 ですから、WWWはこの HTML で書かれているのです。 HTML はLanguage(言語)という言葉からわかるようにプログラム言語に似ています。 プレーンなテキストを様々な記号で修飾し、記号のルールに従って文章を処理することにより、様々な体裁や機能を含んだ文章として再現できるのです。
これらを見るツールがブラウザと呼ばれるものです。 ブラウザの本家といえるのは、NCSA Mosaic です。 そしてこの NCSA Mosaic 開発チームの何人かがスピンアウトして Netscape Navigator を開発しました。
このようなWWWは全世界に数万台あるといわれます。 この中から必要なウェブ・サイトを見いだすのは大変なことです。 そんな時は幾つかのウェブ・ディレクトリと呼ばれるWWWをリストしたサーバがあるので、参照するとよいでしょう。
おそらく、DOS/Windows の利用者にとっては最も利用価値の高いツールと言えるでしょう。 Windows 関連のオンラインソフトの宝庫である CICA サイトなど、近頃は文書やフリーウェア(無料のソフト)を配布するための Anonymous FTP サーバ(匿名 FTP サーバ)がインターネット上に数多く設置されています。 この種のサーバはログインの時にユーザネームの代わりに anonymous(他にも guest と入力する場合もある)と入力すると、ログインできることから、この名前が付いています。 パスワードには、自分のメールアドレスを入れるのが慣習です。 誰でもログインできるサーバくらいに考えて下さい。
インターネットとはの文頭へ戻る
現在、ゲーム機を改良したりして、テレビでインターネットに接続できる方法も考えられています。 また、将来的にはインターネットを使っての電話なども考えられているのです。 何しろ、ローカル料金で日本まで繋がることは事実なのですから、後は技術開発の問題ですが、もう既に Internet Phone というサーバ経由のものも開発されているので、実現もそう遠い事ではないかも知れません。
この様な状況になっているのにインターネットを知らないでは、現代の情報から取り残されてしまいます。 ビジネスマンにとってインターネットは電話、FAXに次ぐ第三の情報ツール、武器なのです。 そんな訳で名詞に E-mail のアドレスを載せるのは勿論の事として、URL を載せている人も出てきています。
これらに共通して言えることは、今までの法体系では規制できない広がりを持っているということです。 今までの物や書類の管理ではもはや十分ではないのです。 例えば、税関でいくらポルノ雑誌の摘発をしても、国境を越えて精密な画像情報として入り込んでくるのです。 国によって猥褻に関する考え方も違うのですから、これを規制することは非常に困難です。 インターネットでは、そもそも何が違法なのかはっきりしていませんし、トラブルが生じても何処に誰を訴えたらよいかもはっきりしていないのです。
インターネットは未だ生まれてからの時間も短く、情報の規制に関するコンセンサスも得られていないのです。 ですから、インターネットは一面では、危険です。 「インターネットは無法地帯である」と言った人がいますが、まさに正鵠を得た表現だと思われます。 これは西部の開拓時代を彷彿とさせる表現でもあります。 新世界はあなたの開拓者としての登場を待っています。