ヨーロッパより一言


「点と線」

05-12-1995

約20年も前のことです。 松本清張の推理小説で「点と線」というのがあって、当時は
結構面白く読んだ記憶があります。 しかし、小説の内容の方は忘れてしまいました。
それよりも約20年、ですから約40年も前に小学校か中学校かで「点と線」について、
「線は点の集まりである」と言うようなことを習ったように思うのです。 今回はそのお
話です。

ヨーロッパでの生活に車は欠かせません。 大陸を車で運転していると日本とは又違った
運転のしやすさの感じを受けることがあります。 つらつら考えますに、日本の交通ルー
ルに比較して、こちらの交通ルールは人間の持つごく自然な感覚をうまく取り入れている
のではないかと思われるのです。

それでは、その例を幾つか挙げてみましょう。 

第一に電気信号が少ないかわりにロータリーが多いこと。 
これには色々な見解があると思います。 曰く、日本は土地が狭く、ロータリーが作れな
い。 曰く、ロータリーはスピードが出せない。 

第二に陸海空を通じて右側優先の交通ルールで統一されていること。 
統一されている必要はないと仰るあなたは、多分航空機の操縦の経験も船の運転もされた
ことがないのでしょう。

第三は今回の話題、「点と線」です。 高速道路を走っていると車線の変更をする必要が
生じます。 その時に車線を区切る「点」(正確には「破線」)の間隔が大きければ変更
の時の注意はそれだけ少なくて良く(注意が少なくて良いはずはなく、危険度が少ないと
言うべきか)、「点」が詰まっていれば、それだけ要注意であると言うものです。 こち
らでは「点」の間隔が意味を持っているのです。 ですから、この「点」の詰まり方に応
じて運転すればよく、非常に自然で楽なのです。
確か私が日本で車の運転免許をとったときは、「点」({破線」)と「線」(「直線」)
の二つに分かれていて、「点」(「破線」)の間隔が短くなれば要注意などというものは
無かったと思います。 こちらでは「点」が詰まるだけではありません。 ずーと続いて
いる直線(例えば中心線)がところどころで2、3カ所切れている場合があります。 そ
んな場所では注意して渡ってよいのです。 二者択一ではなく量に応じて変化するのです。
 面白いとは思いませんか?

第三に挙げたような考え方を日本でも取り入れられるでしょうか、以外に、こんなことが
国の将来を決めるかも知れません。 例えば、法律や規則に書かれた金額などは全て固定
されているのが現状です。 変動相場、変動金利などという言葉がある時代なのですから、
法律や規則なども相対的に変化する方法に変えてゆく必要があるのです。 
どなたかが「人に優しい・・・」と仰いましたが、「人に優しい・・・」とは人が自然に
無理なく生活できることではないでしょうか。
その第一歩は前述の交通ルールの「点と線」にあるのかも知れません。 


大岡由之 (おおおか・よしゆき)
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1995年12月05日

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