カトレヤ類の栽培「その他の情報」

11. ランの繁殖
無性生殖 Asexual reproduction
有性生殖 Sexual reproduction(実生)

12. 栽培上の技術、その他

セルフとシブリング
ヘゴ板への取り付け方
支柱の立て方
開花時期
開花前のシースの切り方
カトレア整形大輪花のつくり方
カトレヤの大株のつくり方
花のもたせ方
花の切り方
カトレヤの切花をどなたかへ差し上げる場合

 

11.ランの繁殖

ランを繁殖させる方法には大きく分けて二つ方法があります。

一つは同一個体を増殖する方法で、無性生殖 Asexual reproduction とも栄養体繁殖 Vegetative propagation とも言われるものです。これは優秀な個体を増やすのに適した方法です。
無性生殖は、栄養系分離 clonal separation ともいい、株分け、伏せ木(茎挿し、矢伏せ、バルブ吹き)、取り木(高芽取り)、ステム・カルチャー、生長点培養といったやり方があります。

もう一つは受精による方法で、有性生殖 Sexual reproduction とも種子繁殖 Seed propagation とも言われるものです。こちらは増殖と品種改良や新しい品種の作出が目的になります。
有性生殖は基本的に交配して種子を作り、それを播いて発芽させ、培養するものです。その過程で無菌培養とするのか有菌培養とするかの違いがあります。

これらの繁殖方法は非常に専門的になるので、一般に行われる株分け以外は概要を記すに留めることにします。

 

無性生殖 Asexual reproduction

 株分け division
カトレヤなどの複茎性のランの場合には年々新しい茎を作ってゆくので、茎を切り分けて株分けすることが可能です。カトレヤ以外でもシンビジューム、リカステ、オドントグロッサム、パフィオペディルムなどでも可能です。
単茎性のランでも例外的にバンダやファレノプシスの株の基部から新芽がでることがあり、この場合に新芽の基部から根がでれば、分離して株分けできます。
株分けの方法は株のはさみ入れ法と、植え替え時の分割法があります。いずれの場合にしてもウイルス病の感染を防ぐための対策として刃物は1株ごとに消毒するか取り替えます。
 
はさみ入れ法
鉢植えのまま、バルブの基部にある潜伏芽の生死を確かめながら普通は2バルブ以上、出来れば3バルブ位を1グループになるよう、鉢の中でリゾーム(匍匐茎)を切り離しておきます。こうすることにより1鉢でリードをいくつか作り、株数を増やすことが出来ます。はさみ入れの時期は花終了後がよく、1〜2ケ月で、潜伏芽が伸長して来てます。新しいバルブの基部から根を生じますからその初期に別の鉢に分割して植替えをします。
 
植え替え時の分割法
植え替え時にリードとバルブ2本位を単位として切り分けて植え、他は2ー3バルブ位に分けて、別の鉢に植え替えます。この時、必ず潜伏芽があることを確認します。バルブの数を少なくすれば、それだけ、生長が遅くなり開花までに時間がかかります。カトレヤの場合は三つぐらいのバルブ毎に分ければ1年程度で開花し、バルブが一つならば、開花に三年はかかるといわれています。
 
 伏せ木 lay the cutting(茎挿し、矢伏せ、バルブ吹き)
デンドロビウムなどの場合にはバルブの各節にそれぞれ潜伏芽があります。この茎を2ないし3節に切り、水苔で巻いたり、水苔の上に横たえ、日陰に置いて湿度を与えますと、発芽してきます。エピデンドルムの葉の落ちたバックバルブからも同様の方法で発芽させることができます。
 
 取り木 layering(高芽取り)
デンドロビウムのノビル系などでは高温に置くとバルブ上部の各節の芽は花芽にならず葉芽となって新しい個体が得られます。高芽が伸び、新根が伸びたら、かき取って植え込みます。エピデンドルムなども同様に高芽を生じますから、高芽取りができます。
 
 花茎節培養 stem culture (ステム・カルチャー)
ファレノプシスの場合には、咲き終わった花をそのままにしておくと、花茎の各節から発芽して新しい個体を生じることがあります。単茎性のランに見られる現象でこれを利用して培養します。
花茎節を培養する場合には二つの方法があります。一つは器外器官培養と呼ぶ方法で、花茎を1節ずつ切り取り、ゴム膜の栓をした培養ビンに芽は器外に出るように、花茎の下端は培地に接するように挿入します。
二番目の方法は器内培養法と呼ぶ方法で、芽に花茎の一部を 3 - 5 mm 位付けて培養ビンの中で培養する方法です。
 
 生長点培養 mericlone(メリクロン)
組織培養の技術を応用した生長点培養により、短期間に大量の無性繁殖を行う方法です。具体的には生長点部を解剖顕微鏡の下で無菌的に抽出し、培養基に植え付けて培養します。この時に震とうを与えるとより増殖し、プロトコームの球体ができる。数週間後にこれを細切し別々に新しい培地に植えて震とう培養するを繰り返し、計3回の震とう培養で1個の芽から数百の個体が得られます。この様にして得た個体の染色体は元のものと変わりないものです。
個々には色々な問題があります。例えば培養する種によって生長点を切り取る大きさは?初期プロトコーム状球体の形成率は?培養基の構成は?培養時の温度は?明るさは?など違ってきます。ここではこれらの詳細についてはふれません。

 

有性生殖 Sexual reproduction(実生)

 無菌培養 sterile culture(ステラール)
交配(受精)
カトレヤの場合、ずい柱の先端部内側の凹みの中に花粉塊があります。葯蓋に保護されていますので、下方から手前に押し上げて花粉塊をピンセットで取り出します。この花粉塊をネバネバしている柱頭の凹み部分左右につけて終了です。後は忘れずにラベルに受粉期日などを記入して付けておきます。
 
採種
おおよそ 8 - 10 ヶ月で種子ができ、一般的には種子鞘の先端が黄ばんできたら、種子を採取する時期です。採取した種子は乾燥状態で冷暗所に保存します。家庭用の冷蔵庫で、 3 - 4 ヶ月はもちます。
 
培地の準備
培養地の作り方は色々あり、詳細は省かせていただきますが、基本は培養ビンに各種の薬品や養分を溶かした液を作り、pH の調整(種によって異なりますが、カトレヤの場合 pH 4.8 - 5.2 程度が一番よく発芽、生育します)を行い、次いで寒天で固めます。発芽、生育は培養基の硬さに影響されます。硬すぎるより柔らかい方が発育はよいものです。曲管付きゴム栓をして最後に殺菌を行います。
 
播種
無菌室がなければ、無菌箱を用意してその中で以下の作業を行います。器具類は全て消毒します。次いで種子の消毒を行います。培養ビンの口を開け、培地の表面に種子をつけます。すみやかに培養ビンに栓をします。
 
発芽、移植
播種が終わった培養ビンは 20 度前後の恒温室で培養します。カトレヤの場合には直射日光は避け、やわらかい自然光をあてます。(中には光をあてない方がよい種もあります)1週間程度で葉緑体が、やがて、プロトコームが形成されます。プロトコームから発葉をはじめる頃、同様の培養ビンの培地に移植します。
 
馴化
葉、茎、根がともに 2 - 3 cm になったら、培養ビンから出して、鉢に植え替えます。この時、寒天をよく洗い落とし、水苔に寄せ植えとします。時々、噴霧して、乾かさないようにし、新根が出るのを待ちます。新根が出れば、普通の管理へと移してゆきます。
 
 有菌培養 mycorrhiza culture
有菌培養とはラン菌と呼ばれる共生菌とともに種子を培養する方法です。
より具体的に言えば、普通はランの根から抽出した共生菌を培養ビンの中で増やし、培地に移植します。そこに播種すると発芽して初期プロトコームと呼ばれる段階でラン菌が侵入し、以降はラン菌から供給される養分でランの種子が生長します。葉がでるまではラン菌という乳母に育ててもらう訳です。葉がでれば、ラン自体が光合成を行って糖類を作り、生長できるようになります。
有菌培養をするためには根から共生菌の取り出すことが、まず第一に必要です。ところが、無数の菌の中から必要なものだけを取り出すということは簡単ではないのです。
第二に共生菌の培養ですが、使うときに必要なだけ確保するのも大変ですし、濃度が濃すぎると菌に種子が負けてしまい、共生どころでは無くなってしまうのです。
現段階では有菌培養はリスクが大きく、苦労が多い割に得るものが少なく、商業的にも全く利用されていません。将来的には無菌培養とは異なる可能性を持っているので、より一層の研究が望まれる分野です。
ここでは、無菌培養のように、管理されたものではありませんが、ラン菌を利用して発芽から葉が出るまでの段階を共生菌の助けを借りて行う、二つの方法を紹介しておきます。
 
親鉢播き法
親株の根元に種子を播く方法です。共生菌であるラン菌が発芽から葉や根が出る段階とその後の生育段階で同じ菌と共生するラン(例えば、腐生ランと呼ばれるランは一生をラン菌に依存しています)には有効な方法です。親株の根にラン菌がいる訳ですから、発芽段階でその助けを借りる訳です。
 
他のラン科植物の根元に播く法
基本的には親鉢播き法と同じですが、親鉢ではなく、他のラン科植物の根元に播く点です。発芽段階と生育段階とで共生菌が異なる場合、親鉢に播いても共生菌の種類が違うので、うまく共生できません。そこで、発芽段階での共生菌がいる他のラン科植物の根元に播こうというものです。しかし、現在はまだ、どの種にどの様なラン菌が居るかなどの詳細が判っていません。

 

12.栽培上の技術、その他

栽培に関しての幾つかの情報を載せておきます。

 

セルフ(selfing = 自花受粉、自殖)とシブリング(sibling cross = 同胞交配)またはシブ・メイティング(sib mating = 兄姉交配)

セルフとは種の中の1個体の自花受粉をいいます(花粉を同じ株の雌しべに受粉させた自家交配実生株のことです)
シブリングとは同じ親から出たもの同士の交配を言います。実際には同じ種の中で異なった個体同士を交配することに使われています。
これらの交配はよりよい性質の個体を得るための手段で、特徴の優れた個体を作出する方法です。

 

ヘゴ板とコルク樫の表皮(virgin cork bark)への取り付け方

ヘゴ板にランを取り付ける方法ですが、ここでは一般的な方法と新しい段ザック栽培について述べておきます。
ヘゴ付けに適しているのは、鉢植えよりは生育が遅くなるので、若い株ではなく、一度咲いたことのあるような株が適しています。縦に飾る場合には、あまり大きく重い株は適しません。どちらかといえば、花が小さくても沢山つくような株、花茎が短いものがよいでしょう。作業する時期的には植物が生長期に入る前、つまり春先がいいようです。
 
 一般的なヘゴ付け
根を傷めないように根からコンポストを取り除き、ヘゴ板の中央に根に薄く水苔をまいて根を広げて置き、株をひもで巻いて板に縛り付けます。板付けした株は遮光をした湿度の高い場所に置き、毎日板と株にシリンジします。根が動き出したら潅水にかえます。半年から1年たつと根がしっかりとヘゴ板に食い込んで活着しますので、不要な水苔やひもを取り外します。フックを付けて壁に飾ります。
 
 段ザック栽培
ダンザックとはヘゴ板の裏側に段ボール板をセットする方法で、ヘゴ板がザック(リュックサック)のように段ボールを背負っていることに由来する呼称です。
ヘゴ板に裏側から適度な水分の供給を行う方法なのです。ヘゴ板の裏側に水苔を 1 cm 程敷いて、水分を保持し、ヘゴ板に常時、水分を供給します。その上に段ボール板をのせます。これは何故かはわかりませんが、段ボールに根腐れを起こさせない力があり、善玉のラン菌が住み易いのではないかと考えられています。その外側を薄いビニール板で覆います。底部には水が溜まるように曲げ、上部は水やりのために解放しておきます。
植え方は基本的には「(1)一般的なヘゴ付け」と同じです。ただ、潅水の際に裏側の水苔や段ボールにも水を十分に与えます。
2年程度で、裏側の水苔や段ボールは交換します。
 
 コルク樫の表皮への取り付け
コルク樫は樹齢が25年以上に なると、バージン・コルク・バークと呼ばれる第1回目の樹皮がはがされます。この樹皮は2回目以降(その後、通常9-10年毎に剥がされる)のコルク樹皮に比べれば表面が固くて全体に薄くデコボコなので一般的な意味での商品価値(コルク栓をとったり、建材としての利用価値)は低いものです。しかし、日本で入手する場合には輸送に費用がかかり、需要もあまり多くないので高価なものになります。これにランを活着させるわけですが、見た目にはヘゴ板とは違い、自然の樹木の表皮にごく自然に着生し、生育している状況が再現できてすばらしいものになります。
基本的な取り付け方はヘゴ板の場合と同じです。ただし、コルク樫の表皮にランを取り付けるのはヘゴ板に比べて、難しいようです。取り付ける植物の選択と板の角度に気を使った方がよいようです。例えば、カトレヤ類ならば、ワルケリアナなどが適していると言われますし、板を出来るだけ平に置くようにすると活着しやすいでしょう。
もっとも、見た目を気にしないならば、(それでは、あまりコルク樫の表皮を使う意味が無くなってしまいますが)実際には樹皮の表(外)側ではなく、内側に取り付けた方が活着しやすいといわれます。

 

支柱の立て方

支柱は樹形を整えるために、主に次の場合に立てます。
 
(1)新しい芽が横へ伸びるのを直すため
   お行儀の悪い伸び方をする新芽があるものです。
   この様な場合は早めに真っ直ぐな支柱を立てて
   新芽が伸びている間に少しずつ矯正します。
 
(2)花の重みを支え、花の向きを整えるため
   蕾がシースから出て、大きく膨らみ始めた頃に支柱を立てます。
   重要なことは花だけでなく、茎ごと支えることです。
   このため、まずバルブの上部の葉腋の部分を支柱に固定します。
   次いで、蕾のついた花茎を支柱に結びます。
   最後に蕾の近くの花茎をゆるく結び、花の向きなどを調整します。
 
結ぶのに使用したビニタイなどの再使用はウイルス感染の原因になるので避けます。

 

開花時期

カトレヤは非常に多くの品種が栽培されていて、その開花の時期も様々です。ここでは原種のカトレヤを日本での開花期から分けてみます。元来、日本とは気候の異なる熱帯や季節が逆の南半球に産するので、日本での開花時期は狂ってしまったり、栽培の条件により、異なるので、参考程度としてください。なお、交配種の開花時期は基本的には原種の比率に応じて開花時期は変動すると言われています。(すなわち、5月開花の原種と7月開花の原種で交配すれば1対1ですから6月という計算になります。)

 冬咲きのもの(1月から2月に咲くもの)
春に新芽ができ、その後4ヶ月程度成長した後、秋には休眠期になり、1−2月に開花期となるものです。茎や葉の成長は高温、長日下でなされ、花芽の分化と開花には2ヶ月以上の短日条件が必要となるのが普通です。

C. trianaei は花芽の発達は短日(8時間日長)条件で促進され(その期間は少なくとも2ヶ月は必要です)、長日(16時間日長)では抑制されると言います。イースター(3月21日以降の満月の後の最初の日曜日)に開花させるためには11週間前まで長日(16時間日長)にしておき、その後は9時間にするとよいとされています。
C. walkeriana は10月から翌年の5月までの期間に咲きます。
他に、C. amethystoglossa、C. chocoensis、C. eldorado、C. loddigesii、C. percivaliana、C. schroederae などがあります。
 
 春咲きのもの(5月を中心に咲くもの)
春の開花期に新芽ができ、その後主として夏に成長した後、秋には茎や葉が完成し、冬には休眠期になるものです。冬期の低温短日条件でゆっくり花芽が形成されるので、冬期に高温、長日条件にすると、花芽が形成されません。

C. gaskelliana は夜温が 13 度で9時間日長が花芽分化に最適な条件で、夜温が 18 度以上になると開花が遅れ、花芽分化後、開花までに 3 - 4 ヶ月もかかります。
C. mossiae は花芽の形成は温度の変化によるとされています。新しい生長が始まる8月末まで、昼 27 度、夜 18 度で生育し、12 月に蕾が見えるまで、昼 21 - 24 度、夜 13 度に下げ、その後、昼 27 度、夜 18 度に戻し、1月中旬に蕾の長さが 0.6 cm ほどになった時に 16 時間日長にして3月に開花したとのことです。
L. purpurata は普通は 5 - 6 月に開花するものを約4ヶ月前から長日(16時間日長)条件の下に置けば、いつでも希望する季節に開花させられます。
他に、C. aclandiae、C. granulosa、C. mendelii 、C. intermedia、C. iricolor、C. jenmanii、C. kerrii、C. lawrenceana、C. loddigesii、C. luteora、C. lueddemanniana、C. mendelli、C. schilleriana、C. skinneri、C. warneri などがあります。
 
 夏咲きのもの(7月を中心に咲くもの)
春に新芽ができはじめると同時に花芽の分化が進み、茎や葉ができあがる頃に開花します。多くの場合、夜温が高いと開花に至らないので、夜温の注意が必要です。

C. warscewiczii は夜温が 18 度以上になった場合は日長にかかわらず開花しないか、開花率が減少するとされています。
C. aclandiae、C. forbesii は4月から10月までの期間に咲きます。
他に、C.araguaiensis、C. aurantiaca、C. bicolor、C. elongata、C. forbesii、C. guttata、C. harrisoniana、C. jenmanii、C. leopoldii、C. tenuis、C. velutina、C. violacea、C. warscewiczii などがあります。
 
 秋咲きのもの(10月から11月に咲くもの)
春に新芽ができ、夏に成長した後、秋には開花期となるものです。

C. labiata は 13 度の長日では開花しないが、短日では花芽分化が起こります。しかし、温度を 18 度にすると開花が抑制されます。長日で最低夜温が 18 度以下にならないようにして開花を抑制しておき、翌年に短日条件を与えることで、前年開花しなかったぶんも一緒に開花させることができるという。
他に、C. bowringiana、C. dowiana、C. dormaniana、C. mooreana、C. patinii、C. rex などがあります。

 

開花前のシースの切り方

シースが伸びてきてある程度の大きさになると、日光にすかしてみると中が見えるようになります、この時、鞘が二重になっている場合には外側のシースの上部を切って中の蕾が出て来やすいようにします。そのままほおっておくと、蕾に十分な力が無く、シースを突き破れずにシースの中で腐る場合もあります。

 

カトレア整形大輪花のつくり方

カトレヤの大きくてきれいな花を咲かせたいと願う方のために、その道の専門家が書いた「カトレア整形大輪花のつくり方 - 池谷正之」という一文がありますので、参考にしてください。

 

カトレヤの大株のつくり方

普通カトレヤは花の咲いたバルブの方向に伸びて行きますが、必ずバルブの付け根には左右に潜伏芽があります。この芽はリゾーム(匍匐茎)でつながっている場合は、普通休眠しています。この潜伏芽の前の、リゾーム(匍匐茎)をはさみで切り離すと、休眠から目覚めて、新芽が伸びて、新しいリードになります。これが生長して花を付けるのです。この作業は株を鉢から抜かずに植えたままで行います。株を深植えにしてあると芽の部分が腐っている場合がありますので注意して下さい。

 

花のもたせ方

苦労して咲かせた花なのだから、長く眺めていたいものです。面倒の見方によって花持ちが違ってきます。カトレヤの場合、冬なら普通2週間程度しか咲いていない花を面倒の見方次第で4週間程度まで伸ばすことができます。
  1. ある程度の室温がある場所に置くこと(玄関などの寒い場所に置かない)
  2. 風にあてないこと(温風器の風に注意する)
  3. 特に朝の寒さに遭わせないこと(窓際や床面に置かない)
  4. 温度が高い場合ほど湿度を上げること(1日2回は葉や茎に霧吹きします)
以上を心掛けて折角の花を長く楽しみましょう。

 

花の切り方

咲いた花を切る場合にも、咲き終わった花を切る場合にも、花を切る場合は出来るだけ葉の近くの花茎の根元近くから古いシースと一緒に切りましょう。種子を採る場合は別ですが、花をそのままにしておくと腐ってきたり、見苦しいものです。なお、切除に使う鋏は十分に消毒したものを使います。

カトレヤの切花の鮮度保持処理

カトレアの日持ちはエチレンにより短くなるので、市販のカトレヤの切花にはエチレン阻害剤である1−MCP(1-methylcyclopropene = メチルシクロプロペン)で処理されたものがあるようです。カトレアの切花は1−MCP(エチレン受容体阻害剤)処理により日持ちが延長するとされています。しかし、適正な処理濃度は品種により異なることも明らかになっています。

カトレヤの切花をどなたかへ差し上げる場合

水揚げをするために、一般的には花茎の切り口に鼻紙を巻いて水に濡らしてポリエチレンのラップでその上から包んだり、真ん中に花茎をさす穴のあいたゴム製のふた付きの試験管に水を入れ入れるなどして水分を与え、萎れるのを防いで運ぶ方法がとられます。近頃はカトレアホルダー」、「テ-ルホルダ-なる便利な小物が販売されていますので、利用されるとよいでしょう。
フローラルフォーム」、「アクアフォーム」あるいは「オアシスなどと呼ばれているフラワーアレンジメントで使用されている吸水スポンジ(23x11x8cm で1個100-200円程度)に予め鉛筆などで穴を開けておき、水の漏らない箱などの容器に入れて水でしめらします。あけられた穴にカトレヤの花茎をさし輸送する方法もあります。
輸送中に花がすれて傷つくのを防ぐために、柔らかな和紙で花の部分だけを包みます。このための特殊なペーパーが販売されていますので、利用されるとよいでしょう。

 

 

 


カトレヤ類の栽培(目次)