オペラ

「Kat'a Kabanova」
[カーチャ・カバノヴァー]


内容

A.Ostrovsky(1823-86)の戯曲「雷雨」又は「嵐」のチェコ語版を作曲者が圧縮し単純化したもの。封建的な家長制度の中、自己の恋に忠実に生きようとして破滅するヒロインの悲劇。3幕 チェコ語

あらすじ

第1幕 第1場 ロシアのヴォルガ河畔の町。両親に先立たれたボリス_グリゴリイェヴィチ(テノール)は、町の有力者で商人の叔父ディコイ(バス)の所に寄宿している。ボリスは家庭教師のヴァーニャ・クドリヤーシ(テノール)に叔父ディコイがいじめる事を訴える。ボリスが惹かれているカチェリナ[愛称カーチャ](ソプラノ)は、すでにカバノフという裕福な商家の人妻である。カーチャの夫チホン(テノール)は甲斐性無しで、その上姑の後家マルファ・カバノヴァー[カバニハ](アルト)はディコイと同じく封建的で、嫁のカーチャをいびる事に生きがいを持っている。今日も息子に「母よりも妻の方が大事か」と難癖をつけ、チホンに妻を残してカザンの市場に行く様に言う。
第2場 カーチャは養女のヴァルヴァラ(メゾソプラノ)に楽しかった自分の娘時代の話をし、夫以外の男に想いを寄せている事を打ち明ける。罪の意識と運命の不吉な予感におののきながら、カザンに出発する夫チホンに自分も連れて行ってくれと懇願する。心ではカーチャに惹かれながらも、母に頭が上がらないチホンは、母にそそのかされて妻を侮辱して留守中の指図をする。

第2幕 第1場 ヴァルヴァラは、カーチャがボリスに恋しているのを察して、自分が愛人クドリヤーシに逢う為に盗んでおいた庭の木戸の鍵をカーチャに与える。罪の意識に悩みながらもカーチャが出掛けた後、泥酔したディコイが来てカバニハにからむが、強い性格の後家はディコイを見下げて道徳心を持てと諭す。
第2場 深夜 カバノフ家の裏でクドリヤーシとヴァルヴァラ、ボリスとカーチャの2組の恋人達が逢い引きをしている。ボリスの熱烈な愛の告白を受けて心が乱れたカーチャは、その愛を受け入れる事にし、破滅の道を選択する。

第3幕 第1場 10日後、人々が嵐と雷を避けて河のほとりのあばら屋で雨宿りをしている。クドリヤーシと友人のクリギン(バリトン)が、あばら屋の壁に火事になった時に描かれた焦熱地獄の絵を見つけこの世の不思議を話しているところへまたも酔ったディコイが来て話の邪魔をする。ヴァルヴァラが来て、続いて登場するボリスにカーチャの夫が帰宅した事と、彼女の乱心とを告げる。稲妻と共に興奮したカーチャが駆け込み、夫チホンと姑カバニハも登場。カーチャは居合わせた一同の前に跪いて、自分の不貞を告白する。
第2場 まだカーチャを愛しているチホンが、女中のグラシャ(メゾソプラノ)とカーチャを探し回っている。家長の横暴の中であっても旺盛な生活力を持つヴァルヴァラは、クドリヤーシとモスクワへ駆け落ちする手筈を整えている。正直で宗教心にも縛られているカーチャは、叔父の言いなりでシベリアに行くボリスと最後の逢い引きをするが、ボリスには自分を苦しみから救う能力が無い事を知ってヴォルガ河に身を投げる。カーチャの死体が上がった時、ようやく自己意識を持ったチホンが母親に「母さんがあれを殺した」と言うが、時すでに遅く、オペラの幕はおりる。


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