ヨーロッパ
ベルギーの風俗記(その1)
教育の話

本稿は ICTAM - MIYAKO TRAVEL の「地獄耳」より転載させていただいたものです。
なお、転載にあたり、若干の変更をしております。


 ここベルギーでは夫婦共稼ぎが通常となっている為、区が託児所(フランス語でクレー
シュという)又は保育園を完備している。
産休があけると生後3ヶ月位の乳児は託児所に預けられる。
 託児所の費用は夫婦の収入により決定される。 収入の少ない夫婦は少額。 多い夫婦
は多く支払う。 論理的である。
 1日約 BFR 50 - 400 (約 180 - 1400 円)食事の世話はもちろん、週に一度は医師に
よる健康診断(身長・体重チェックも)がある。 又、毎日便をチェックされ、日本でい
う母子手帳に書き込まれる。 「便が柔らかいのでこんな野菜を食べさせるように」など
というアドバイスも書かれている。

 毎朝、夕の送り迎えは、登録されている両親以外は行えず。 両親の親類であれど、夕
方に子供をピック・アップすることはできない。 それ故、誘拐事件が発生しない。
 万一、両親のいずれかが仕事の関係で迎えの時間が遅くなる場合は夕方6時まで子供を
預かってもらえる。 又、午後の仕事がなくなり、午前中のみになった場合は、午後いち
番で託児所からピック・アップできる。 その際、託児所の1日分の費用は半分だけにな
る。
 幼稚園へあがるまでは子供を託児所に預けることができる。 もちろん、土、日は休み
である。

 さて、子供が小学校に上がる際日本の様に、地区ごとに決められた学校というものはな
い。 区の学校・ミッション系・市立などまちまちだが、ミッション系の学校が規則等も
厳しく、ヨーロッパ系の子女が多い。 反対に区立の学校は外国人移民労働者の子女が多
く、風紀もミッション系より乱れているようだ。

 子供をどの学校へ入学させるのかは親が調べ決める。 学校の校長へ子供の入学許可を
申請し、許可が下りれば入学可。 下りない場合は別の学校をあたるワケである。
 義務教育は6ー18才まで。 日本風に言うと高校卒業まで。 しかし肉屋・床屋とい
った見習いを必要とする職業につく子供は、16才(日本の中学卒業時の年齢)までフル
タイムで学校へ行き、その後18才までの2年間は実務として見習いをしながら週5日間
のうち、2ー3日のみ学校へ行くことが許されている。
 塾・予備校、又、私立の学校は正式には認められておらず、公立のみである。
 小学1年から1日6ー7時間のフルタイム授業があり、水曜日は昼まで。 もちろん、
土・日は休みである。
 学校により給食制・弁当制(もちろんサンドウィッチ)とカラーが分かれている。 日
本と違うのは、ヨーグルト・ジュース・果実やお菓子類をおやつとして持参してよいとこ
ろだ。

 小学校から落第制がある。 試験の点数が悪ければ追試を受ける。 その結果により、
落第・進級が決まる。 今の学校では落第になるが、他の学校(リストをもらえる)では
進級できるという事がある。 要するに学校のレベルが違うのだ。
 子供も親達も、日本とは違い、世間体を気にするあまり進級を優先するのではなく、落
第してもよく理解した上で翌年進級する事を願う。 その為、落第者は結構いる様だ。 
但し、2度落第すると別の学校を捜して、入学許可をしてくれる学校へ移らなければなら
ない。

 塾のないベルギーでは子供の教育は、親が必死になってみる。 親と子の共同作業だ。
日本のように学校・塾に任せっぱなしにはできない。
 年に1度、各学校で『バザール』がある。
(校庭で、即売会・宝くじ・食べ物の販売などを催すお祭り)
 全父兄がケーキ・サンドウィッチなどを手作りする。(できない者は売り子になる)
 ここから得た利益は、学校の教材や校庭の整備の為に使用される。
 収入は後日、全父兄に書面にて報告される。 バザール収益いくら、またその運用方法
(この部分に使いたい)などの書かれた書面がくる。
 祭りの前には各父兄宛にリストがくる。 売り子の担当・ケーキ作り担当など役割当て
のリストにそれぞれ希望を書き込む。 全父兄が(もちろん両親のどちらかでよい)参加
しなくてはならない。

 日本が、金を費やし、塾に行かせ『間接的』に教育に力を入れているのに比べて、ヨー
ロッパは『直接的』に教育に携わっているようにみえる。
 どちらが良いかは皆さんでご判断下さい。


感想等は、info@nihongo.com までお願いします。
1996年2月8日

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