ベルギー犬のご紹介
ベルギーは小さな国です。 ところが、ベルギーが南オランダであった頃はベルギーの犬はヨ ーロッパの中でも有名だったのです。 フランダース・バセット("bassets de Flandre"=胴 の長い短脚の猟犬)、ブラバントのブルドッグ("bullenbijters"=ブルドッグの原種の一つ)、 アルデンヌのセントヒューバート("Sint Hubert")犬など贅沢で優雅な小型犬やグレイハウン ドを贈答に使ったり、売買もしていたのです。勿論、そのためには盗んだり、脅して巻き上げ たりさえもしていたのです。 新聞記事によれば、教会や修道院など地方によって、特に狩猟が盛んであった時代のベルギー の犬はバラエティに富んでいたようです。 この様な素敵な時代はすぐに色あせてゆきました。 ヨーロッパの各地で戦闘、特に宗教戦争 が盛んになったからです。 こうしてわが犬たちの遺産は失われていくのです。 ところで、1848年に始めてのドッグ・ショウがテルヴユーレン"Tervueren"で開催されたの をご存じですか? ベルギーがあまりに小国なので、始めてのドッグ・ショウは英国で当地ベ ルギーではないと思っておられる方もあるようですが、実はベルギーが最初なのです。 前世紀の終わりに、犬学"cynology"(犬に関する学問、すなわち、犬に関する研究と繁殖)が 生まれます。 犬学では、まずベルギーにどの様な種類と血統の犬がいるのか調査することから始まりました。 多くの犬、特に小型犬は狭い場所と少しの食べ物ですんだので、貧しい人々によって飼われ、 生き延びているのがやっとの状態でした。 プリンス達の飼っていた巨大犬、グレイハウンドやパックドッグと呼ばれたグループで狩りに 使われる犬など高級で優雅や繁栄とともにあった犬たちの多くは消え失せていたのです。 その頃の中流階級や散歩につれて歩かれる犬の多くは外国犬(通常、英国犬)でした。 そん なわけで、人々がベルギーのすばらしい品質の犬に関心を抱くようになるのにはその後若干の 年月を必要としました。 大型犬のために農場へ出かけ、色やヘヤースタイルから分類し、シェパードのリストを作り、 4種類の異なったシェパードを作出したのです。 残念ながら、黒いマリノワ("black malinois")や、灰色のラケノワ("grey lakenois")など、 そのうちのいくつかは、その後血統がとぎれてしまいました。 フランダース地方ではフレミッシュ・ブーヴィエ("Flemish Bouvier")がアルデンヌ地方では アルデンヌのブーヴィエ("Bouvier des Ardennes")が見つかりました。 サンチュベール(セント・ヒューバート犬="St. Hubert Dog")はサンチュベール犬の子孫で ある英国のブラッドハウンド("Bloodhounds")から作られました。 ブラッセルでは3種類の小さなグリフォン("griffons")が見つかりましたし、フランダース やブラバントではシッパーク("Schipperke")、小さなスパニエル("les minis-Epagneuls") や巻き毛のマルチーズ("le bichon au poil fris")が見つかりました。 今世紀に入り、2回の世界大戦を経験し、ベルギーの多くの犬が消えてゆきました。 そして 外国人がベルギーの犬達を歓迎したことも拍車をかけました。 20世紀の始めに、もっとも美しいシパークや小さなグリフォンが外国へわたってゆきました。 30年代にはベルギーのブーヴィエ("bouviers")、小さなスパニエル("little Epagneuls") やマルチーズ("bichons")はもっとも良いものがベルギーに残っているので、フランコベル ギー血統("Franco-belgian breed")と呼ばれるようになります。 ベルギーは、ベルギー犬自体は世界各地に広がってしまったものの、ベルギーの祖先が産出した 犬達に誇りを持つことが出来る国なのです。 それでは、次に個々のベルギー犬について紹介いたしましょう。