<ダイヤモンドと工業用用途>
ダイヤモンドは硬度が高いために、宝石用だけでなく近代工業のあらゆる分野で
耐摩耗性の優れた工具として使われています。
実はダイヤモンドの用途は宝石用よりも工業用の方が多く、かつ重要であるとさえ言えるのです。
これは他の宝石とは全く違う側面です。
工業用ダイヤモンドとしてのもう一つの特徴は人造ダイヤモンドの生産がなされていることです。
工業用ダイヤモンドとして、もはや天然のダイヤモンドでは均質性その他の需要を
充分に満たすことが出来ない状況なので人造ダイヤモンドが生産されているのです。
この結果、人造ダイヤモンドの全てと天然産ダイヤモンドの大半は工業用に使われているのです。
ガラス切り
レコードの針
レコードの針にもダイヤモンドが使われてきました。
針の先端は極度に正確に磨きあげられて、普通のLP用のものでは十七ミクロンの細さです。
研磨剤
ダイヤモンドは耐摩耗性にも優れているので、
微粉末にした研磨剤も大きな用途を持っています。
昔からガラスの彫刻や他の宝石の研磨に使われてきました。
光学用のレンズやコンタクト・レンズの研磨や金属面、
特に超硬合金の精密研磨などにも、不可欠の材料となっています。
研削砥石
消費量の多いのは、金属材料、磁器、ガラス、半導体などの加工に使う研削砥石用です。
錐の先端のビット
色々な材料の穴開け、石油井掘削などのボーリング材料や岩石の切断などにも使われます。
ハイウェイの表面の削り落としなどにも使われています。
ダイヤモンドのドリルは身近かな所では歯医者さんでも使われています。
掘削用のダイヤモンド・ヘッド
ダイヤモンドは万物のなかで最も硬い石、
あらゆる物に傷をつけることができるものとして知られていました。
工業用にダイヤモンドを岩石の掘削に用いる最大の理由はこの硬さにあります。
掘削用のダイヤモンド・ヘッドは大粒のダイヤモンドを鋼鉄製の土台に埋め込んだもので、
これを先頭に付けたシャフトを高速で回転させながら、岩石にあなを開けてゆきます。
これに用いるダイヤモンドは大体五カラットまでの大きな原石です。
大きさはあっても宝石にはならない茶色や黒色のダイヤモンドが用いられます。
イギリスとフランスを繋ぐユーロ・トンネルの掘削に日本から輸出された
特大の掘削機が活躍したことは記憶に新しいところです。
極細の金属線を作る工具
極細の金属線を引き出して作る工具もユニークなもので、ダイヤモンドが使われています。
これはダイヤモンドの結晶の中に特定の角度で開けた孔を通して、
金属線を一定の細さに作るためのものです。
正確さと摩耗に対する強度の点でダイヤモンド以上のものは見あたりません。
この細線作りは一秒に四十メートルという速度で行われるので、その摩擦に長時間耐え、
常に一定の精度を保つことは最上質のダイヤモンドにしか出来ないことなのです。
この様にして電気製品や電球のフィラメントに使われる様な細い線が出来るのです。
人工衛星の外部観測用の窓
1978年にアメリカが金星にむけて送り込んだ人工衛星パイオニアの外部観測用の窓には、
極度な高温に耐えた後も、計測ができるだけの透明度を持つ唯一の素材として。
13.5カラットの最上質のダイヤモンド製の丸窓が採用されました。
LSI(大規模集積回路)などの放熱板
Ua型ダイヤモンドはの熱伝導性が優れていますから、
LSI(大規模集積回路)などの放熱板に用いられます。
半導体の性格を持つUb型のダイヤモンドは
新しい半導体の材料として今後が期待されています。
今日、自動車、自転車、金属線、スクリュウなど殆ど全ての製品は
ダイヤモンドの助けを借りて製造されます。
冷蔵庫、トースター、ラジオ、テレビ、それから電球などあらゆる電気製品が
ダイヤモンドを使ったダイカストに依存しています。
このように現代の工業の多くがダイヤモンドの存在なしには成立しえないという
事実こそ直視しなければいけない点でしょう。
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