ダイヤモンドの鑑定書


 

ダイヤモンドの鑑定書(品質保証書)


ダイヤモンドには鑑定書(品質保証書)の付いているものとそうでないものがあります。 研磨されたダイヤモンドの価値は、重さ Carat、透明度 Clarity、色 Colour および カット Cut の4つの要素(4C)で決定さ れます。 しかし、専門家でない人々は普通これらの要素を間違いなく判断することは出 来ません。 したがって、専門家でない人は鑑定書(品質保証書)が付いているものを選 んだ方がよいでしょう。 但し、鑑定書(品質保証書)は場合によっては誰にでも発行で きる単なる紙切れにすぎないのですから過信は禁物です。 権威のある鑑定機関が直接、 正式に発行した鑑定書の取得が求められるゆえんです。

 

世界的に権威のあるダイヤモンド鑑定書(品質保証書)の発行機関はベルギーのHRDと 米国のGIAに限られると思って良いと思います。 
HRDはベルギーの四つのダイヤモンド取引所を総括する公益法人でとして有名ですが、 その鑑定部門は公平でかつ正確であると定評があります。 世界で最も権威のある機関と 言えましょう。 その他の鑑定機関も米国のGIA基準を除き、世界的にはHRDが主導 する「研磨ダイヤモンド等級付け国際規則(IDC規則)」(通称HRD方式)に準拠し て鑑定書(品質保証書)を発行しています。
このIDC規則はダイヤモンド取引所世界連盟(WFDB)及び国際ダイヤモンド生産者 協会(IDMA)によって受け入れられ、世界中で遵守されています。
勿論、日本にも沢山の鑑定機関(日本の場合は殆どが株式会社組織の業者)があります。  日本の鑑定機関は多くがGIA基準に基づき、日本語の鑑定書(品質保証書)を発行して います。

また、GIAの鑑定書(品質保証書)にはカットのグレードが記載されていません。  (要注意)
その点、HRDの鑑定書(品質保証書)にはカットについてもプロポーションとフィニッ シュに分かれてはいるもののグレードが明記されていますので、素人の人にも分かりやす い一歩進んだ形の鑑定書(品質保証書)となっています。 なお、カットの評価について の記載のない鑑定書(品質保証書)の詳細に付いてはこの部の最後に解説をしてあります。

近頃の鑑定書(品質保証書)はマイクロフィルムに撮られ、ダイヤモンドと一緒にプラス チック・ケースに同封シール(封印)されています。 これにより、鑑定書(品質保証書) が同封のダイヤモンドのものであることが明確になります。 ですから、シール(封印) が破られればダイヤモンドとの関連は一見しては失われますので、鑑定書(品質保証書) は単なる紙切れとおなじになってしまいます。 
ダイヤモンドを業者から受け取る際にはシール(封印)されたプラスチック・ケースが破 られていないかどうかの点を確認すべきでしょう。 また、指輪などに加工する場合も、 プラスチック・ケースにシール(封印)されたまま渡すことで品質を明確に出来ます。  勿論、指輪が出来て戻ってきたときにはその指輪が渡したダイヤであるかどうかは専門家 ではない素人にはわかりません。 そこで、信用の出来るところで作って貰うことが大切 となります。 

HRDの場合、一般の人が既に鑑定済みのダイヤモンドをHRDに送り、確認やシール (封印)、もしくは再シール(封印)を求めることも可能です。
なお、ダイヤモンドにレーザー光線を使って鑑定書(品質保証書)番号などをガードル部 分に刻印しておく方法もあります。 この方法を使えばすり替えはより困難になり、防げ るかも知れません。

なお、日本の鑑定書(品質保証書)の詳細については「日本の特殊事情」を参照願います。 ダイヤモンドの品質は 4C ( Carat, Clarity, Colour, Cut ) 重さ、透明度、色および カットで代表されます。 ここではHRDの鑑定書(品質保証書)の項目にそって解説し てみます。 


<4Cのうちどれが一番重要か>


研磨されたダイヤモンドの価値は、重さ Carat、透明度 Clarity、色 Colour および カット Cut の4つの要素(4C)で決定されることは前に述べました。
4Cのどれもが重要である事は勿論なのですが、ダイヤモンドの評価をする場合には、一般的には

1.カラー(色)Colour
2.クラリティ(透明度)Clarity
3.カット Cut
4.カラット(重さ)Carat

の順になるのが普通です。
(もっとも、全くの素人はカラット数の大きいものに飛びつくかも知れません。)

しかし、その昔、ダイヤモンドが単なる硬い石でしかなかったのは、美しくなかったからです。 人間がダイヤモンドのカットの仕方を発見して、ダイヤモンドは宝石の王様と言われるようになったのです。 カットの重要性が判るというものです。
ですから、もしもダイヤモンドを美しいかどうかの観点からみるのならば、重要性の順序は

1.カット
2.カラー
3.クラリティ
4.カラット

の順になるでしょう。

この一番重要なカットが、多くの店でないがしろにされ、カラー、クラリティとカラットで売られ、カットはほんの付け足しの情報になっている場合が多いのです。
そして、ダイヤモンドの理想の形がトルコフスキー型であるのか、あるいはヨーロッパ型であるのかなどと言う以前に、実際には本当の意味で宝石としての価値のあるものは全体の四分の一にしかすぎないとも言われている現実があるのです。


<その他の関連する事柄>


その他のダイヤモンドの鑑定書(品質保証書)記載事項
上述以外に、鑑定書(品質保証書)記載事項で注意すべきところが幾つかあるので述べて おきます。

   @ 当該のダイヤモンドが自然に産したダイヤモンド natural diamond である旨の表示
     natural diamond であることが総ての前提です。
   A コメント comments の欄
     何も記載されないのが普通ですから、何か記載されていれば要注意です。
   B 同一性確認のマーク identification marks の欄
     主として、レーザーによりガードルへ 14 字までの英数文字が記載されます。
   C 検査方法などと責任の範囲
     通常、当該の鑑定書(品質保証書)が単に検査しただけで責任は限定される旨
     表示してあるものです。
   D 鑑定書(品質保証書)の発行者の名称など、サイン、発行年月日や番号
     これらは事務的なものですが、正式なものである証明になります。


GIA方式など他の鑑定書(品質保証書)で注意すべき事柄


GIAのグレーディングリポートには「本リポートは宝石の品質を保証するものでも、価値を決定するものでも、等級を決定するものでもありません。 本リポートの受取人は、本リポートに記載されている情報に関し、宝飾店や宝石鑑定士に相談することをお奬めします。」と記載されています。
GIAのグレーディングリポートにはカットの中心であるプロポーション(一部業界ではメークといいます)のグレードは明記されていないのです。
これはグレーディングリポートがどちらかと言えば専門家むけに作成されたという過去の経緯が影響しているものと思われます。
しかし、将来的にはこれらの鑑定機関に於いてもカット・グレードを記載する可能性を否定はしていません。 

また、現実には、ついている鑑定書が権威のある発行機関であるかどうかにより 10% 程度は価格に差があることも確かなようです。

なお、日本の鑑定書(品質保証書)の詳細については「第3章 ダイヤモンド購入上の 注意事項と購入の実際」の「日本の特殊事情」を参照願います。


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