ダイヤモンドの硬度は 10.0
で非常に硬いのですが、硬いから安全かと言うと必ずしも硬
い事が良いとは限らないのです。 硬いが故に相手を傷つけてしまう場合もあります。
また、硬いということと割れにくいということは別です。 ダイヤモンドの靭性(ねばり
け、割れ難さ)は 7.5 で水晶と同じで、決して高くありません。
また、結晶面に平行に完全な劈開性を持っていますので、その方向に力が加われば容易に
木目に沿って割れてしまいます。
ダイヤモンドは火災にあうと状況にもよりますが燃えてしまいます。 燃えなくても表面
が白く濁って使いものにならなくなります。
(酸素の中では約 700
度で一酸化炭素または二酸化炭素に変化しはじめます)
親油性があることは必ずしも弱点ではありませんが、ダイヤモンドを油手で触ると汚れて
しまい、輝きがなくなります。 ダイヤモンドを扱う時に必ずピンセットで扱うのはこの
ためです。
(参考)ダイヤモンドの指輪の場合、
何がダイヤモンドや貴金属部分に損傷を与えるか
┌───────────┬───────┬───────┐
│ │ │ 指輪の台座 │
│ │ダイヤモンド │ その他 │
│ │ │ 貴金属の部分│
├───────────┼───────┼───────┤
│ │ │ │
│汗・脂肪・化粧クリーム│ ○ │ ○ │
│ │ │ │
│塩酸系洗剤 │ ○ │ × │
│ │ │ │
│温泉 │ ○ │ × │
│ │ │ │
│マニキュアの除光液 │ ○ │ △ │
│ │ │ │
│洗剤入り熱湯 │ ○ │ △ │
│ │ │ │
│火事 │ × │ × │
│ │ │ │
│衝撃 │ × │ × │
└───────────┴───────┴───────┘
×印は絶対避けること、
△印は弱いので注意すること、
○印は気にしなくて構わないものです。
上記は品質に損害を与える場合のウィーク・ポイントの一覧表です。
金属部分が案外弱いことに注目して下さい。
ダイヤモンドが酸などに強いからといって指輪などの
装飾品が強いわけではないのです。
ダイヤモンドをすり替えられないためにも、信用のある業者に依頼する事です。
ダイヤモンドを留めるのは専門家の仕事ですが、案外技術のいる仕事なのです。
ですから、良い技術者を抱えているところが望ましいわけです。
宝飾品になって出来上がってきたダイヤモンドは念のためサイズを測り、内部の特徴など
が渡したものと同じであるか確認しましょう。
<避けた方がよい「ふくりん留め」や「ふせこみ」>
「ふくりん留め」や「ふせこみ」と呼ばれる留め方は、肝心のダイヤモンドが中心ではな
く、金属の方が主体に見えてしまいます。 「ふくりん留め」の為にダイヤモンドの上部
がカバーされる面積も爪留めに比べて大きく、その分ダイヤモンドが小さく見えます。
通常ガードルからテーブルまでの距離の3分の1程度が「ふくりん」で隠されてしまいま
す。 ですから1カラットの石の場合、平均して直径は 6.42mm
ですが、このうち 5.56mm
しか見えないことになります。 これをカラットに換算すると約 0.65
カラットの大きさ
の直径ということになり、如何に馬鹿らしいかが判るというものです。 その上、ゴマカ
シ商品(ダブレットなど)がこの留め方をするので疑いの目で見られて損です。 余程、
デザイン上の必然性が無い限り避けた方が無難でしょう。
<ブリリアントの形がわかる「爪留め」>
ダイヤモンドのブリリアント形自体もその透明感と共にダイヤモンドのイメージを作って
いる大きな要素です。 そこでダイヤモンドのブリリアント形が判るようにしておくのも
重要なポイントの一つなのです。 その点留め方としては「爪留め」が優れています。
爪の種類には「立爪」、「並爪」、「ふくろ爪」があります。 ラウンド・ブリリアント
形には「立爪」、オーバルには「並爪」が良く合い、マルキーズやハートの尖った部分に
は「ふくろ爪」が使われます。 なお、メレーなどの脇石用の爪には線爪やレールなどが
あります。
ダイヤモンドを6本の爪だけで高く持ち上げて留めたものは米国のティファニイ商会が作
りだしたもので業界では「ティファニイ・セッティング」と呼ばれますが、これは一つの
よいデザインの例と言えましょう。
但し、日本でこれを真似したものの中にはダイヤモンドを出来るだけ大きく見せようと真
上から見たときの爪の飛び出し部分を異常に大きくしたものを見かけますが、こうなると
下品になってしまうので、爪はあくまで必要最小限の大きさに止めるべきでしょう。
<輝きが見えやすいデザイン、指に密着した指輪のデザイン>
「ティファニイ・セッティング」の場合もそうですが、あまり長い爪の先に留めたのでは、
ダイヤモンドを横から見る機会が多くなってしまいます。 特にブリリアント型のダイヤ
モンドは何と言っても上方からの光を上方へ全反射するように出来ているのですから横か
ら見るのではなく上方から見易くなければなりません。 その上、爪が長ければ指輪の地
金の幅にもよりますが、それだけ回転し易くなり横を向いてしまうことになりかねません。
<ガードルの薄いものは注意しよう>
購入や細工にあたっても特にガードルの薄いものは注意しないと、爪止めなどの際に折角
のダイヤモンドを欠いてしまう場合があります。 大きなダイヤモンドの場合程注意が必
要です。
<掃除のしやすいデザイン>
あまり複雑なデザインにしてダイヤモンドや他の金属部分の手入れがしにくいものは避け
た方が良いでしょう。
人々が心配するほどすり替えが起こる訳ではありませんが、たまにはすり替えがおこるこ
ともあります。そこでまず問題になるのは確かにすり替えられたのかどうかということで
す。 以下に述べることを守れば余計な心配をしないで加工や修理に出せますし、すり替
えの危険も防げることでしょう。
(1)どんなダイヤモンドであるか明確にしておくことです。 一般的にはダイヤモンドの重さとサイズを正確に測り、購入価格を書いておきます。 次いで、カラー、クラリティやカットの特徴ということになります。 ダイヤモンドの鑑定書があれば、重さやサイズ、品質などを明確にできます。 特徴を拡大写真に撮っておくのも良い方法です。 一番確実なのはガードルにレーザーで鑑定書番号などを記入しておくことです。 (2)加工に渡す前に必ず先にクリーニングしておきましょう。 汚れている時と綺麗になっている時では印象が断然違います。 特に色やクラリテ ィ、そして輝きが違って見えるものです。 (3)お店で品物を渡すときに預かり証に記入して双方で確認します。 写真や鑑定書の写しをつけて確認すればより確実です。 指輪などに加工済みのダイヤモンドの場合、お店ではクラリティやカラーのグレー ドを記入してはくれないかも知れません。 指輪などに加工した、ダイヤモンドの カラーやクラリティのグレードを確認することは難しいからです。 しかし、目でみた特徴とかサイズは測って記入してくれるはずです。 (4)極端に加工料金の安いような場合には技術的に未熟であったり、すり替えの危険も 多いものです。 (5)宝石店との相互の信頼関係ができれば、それが何よりも確実にすり替えなどの事故 を未然に防ぐ事につながります。
(1)作りが悪いものと良いもの 十倍のルーペで見て、金やプラチナにスの入ったような沢山の小さな孔があるもの は出来の悪いものです。 金属部分がスムーズに一体化しているか、金属部分の色がどこも同じかどうか、 左右が同じように出来ているか、中心がずれていないかがポイントです。 (2)脇石や装飾のためのダイヤモンドの選び方が悪いものと良いもの 裸眼でみてダイヤモンドの色が揃っているかどうか、ダイヤモンドの大きさがあっ ているか、大きさが不揃いでないか、十倍のルーペでみてダイヤモンドのクラリテ ィやカットのグレードが揃っているかどうかがポイントです。 (3)ダイヤモンドのセットの仕方が悪いものと良いもの ダイヤモンドを保持する爪や押さえの形、大きさ、向き、間隔などが不揃いでない かどうか、ダイヤモンドが金属部分に隠されて見にくくはないか、ダイヤモンドが 正しい高さに垂直にセットされているかどうか、ダイヤモンドが緩んではいないか がポイントです。 (4)金属部分の磨き方などの悪いものと良いもの リングの内側などの隠れた見えにくい部分が地金そのままで磨いてないものは感心 しません。 内側も外側も同じように磨き、鏡の様に光っていなければいけません。 金属の端がとんがっていたり、エッジがざらついていたりするものは出来の悪いも のです。 金属部分に銀色の点や線が入っているのはいけません。 全体に曇って見えたり、古くさく見えたり、汚れたりしているものは失格です。
要はダイヤモンドを何時も綺麗にしておくことです。
ダイヤモンドは親油性があり、手の脂などがつくと落ち難くなります。
その上、その脂にほこりが着き、輝きを損ないます。
指輪にさわる前には手を洗うなど
して汗や手の脂、汚れを落としておきましょう。 綺麗な手でもダイヤモンド自体には直
接はさわらないようにしましょう。
ローションやスキン・オイルなどの手で指輪に触らない事です。
指輪の場合には普段の取扱いに特に注意が必要です、手は色々と動きますので他のものに
ぶつけて割ってしまう危険性もそれだけ高いからです。
逆に、ダイヤモンドの指輪が凶器になって無意識の動作が相手の人や家具などを傷つける
場合もあります。 ダイヤモンドの指輪をした時には気をつけて慎重な動作をするように
しましょう。
室内よりも紫外線の量が多い戸外の方が蛍光を発しより美しく輝いて見えます。
また電灯の光の下でより、蛍光灯の光の下での方がより美しく見えるのです。
ディスコなどで紫外線入りのランプを使っている所では同様に輝いて見えます。
油が飛んだり、肉や魚の油分が付着してしまいます。
また、炊事は煮炊きの時間に追われて忙しく動きまわることになり、ダイヤモンドを周り
のものにぶつけたりしてぶつかった相手のものを傷つけたり、逆に何かの拍子でダイヤモ
ンドの木目に沿って衝撃を受けたりすると割れてしまう可能性があります。
ダイヤモンドを塩素系漂白剤などにつけないように注意しましょう。 ダイヤモンド自体
に傷がつく訳ではありませんが、台座の細工に穴があいたり、変色したりする恐れがあり
ます。
ダイヤモンドは硬いのですが木目に沿って衝撃を受けると簡単に欠ける事があります。
使用しない場合には盗難に配慮して安全な場所に保管しましょう。
置き忘れの事故が案外多いものなのです。
面倒でもハンドバッグへ入れるなどの措置は最低限行いましょう。
ダイヤモンドを常に美しく輝かせておくには、こまめに手入れする事が必要です。
ダイヤモンドが汚れていると折角の輝きも失われます。 きれいになったダイヤモンドは
光をよく反射して美しく輝くばかりでなく、汚れているものに比べて大きく見えます。
ダイヤモンドの性質に親油性があり、この為皮膚の油分、化粧品や食用油などが着き易く、
一端着くと今度はとれにくいのです。 そして、この油分にはゴミが付着しやすいのです。
月に一度はクリーニングしましょう。
小さな入れ物に野菜や食器洗い用の液体中性洗剤とぬるま湯を用意します。
その中に指輪をつけて少し時間をおきます。 その後、歯ブラシなどで優しくこすります。
汚れが落ちたら、ぬるま湯で充分にすすぎます。 拭き取りは柔らかい布かティシュ・
ペーパーを使います。
エチル・アルコールを使うのは水滴が早く蒸発するので良い方法
です。
家庭では塩素系の洗剤などは決して使ってはいけません。 何故なら金属部分を
傷めてしまうからです。
コップに家庭用のアンモニアと冷水を同量づつ用意します。
その中に指輪を入れて 30
分程つけておきます。 その後、眉毛ブラシのような小さなブ
ラシで軽くたたきます。 終わったら溶液の中にもう一度さっとくぐらせ、紙の上で水を
切ります。 すすぎは必要ありません。
アンモニアはダイヤモンドの洗浄に良いだけで
なく、金属を輝かさせます。 特にイエロー・ゴールドには良いとされています。
ダイヤモンド以外にも石がついているリングの場合には石によって損害を与える場合があ
るので注意して下さい。
宝石店で宝飾品用クリーナーを購入し、商品の説明書どおりに手入れをします。
専門家はダイヤモンド単体の場合には軽い汚れは軽石の粉でふいて、アルコールで洗いま
す。 ひどく汚れている場合には硫酸に若干の硝酸塩を加えた液で煮沸します。
既に宝飾品として加工されている指輪などの場合は、状況に応じて超音波洗浄機やイオン
洗浄機などを使い分けています。 超音波洗浄機の洗浄能力は非常に高いのですが、緩ん
でいる石がとれたり、一緒についているダイヤモンド以外の石の種類によっては振動によ
ってひびが入る場合があるからです。 なお、イオン洗浄機には指輪などの金属の錆をと
る力もあります。
また、宝飾品専用の各種洗浄液や錠剤も発売され、使用されています。
少なくとも1年に1度は、宝石店でダイヤモンドを点検して貰いましょう。
宝石店は指輪の爪の緩み具合や抑え部分の摩耗の状況などを調べ、必要ならば修理してく
れるでしょう。
装着後には必ず汚れを落としきれいにしておくこと
汗や手の油には注意し、使用後は必ずきれいにしてしまう習慣をつけましょう。
油分がついたり、汚れたまま宝石箱やケースにしまうとしまう場所自体が汚れてしまい、
何時も汚れたまま使う事になってしまいます。
(クリーニングの項を参考のこと)
別々に柔らかい布などに包み、他の宝石と一緒にしないこと
硬度が高いために他の宝石を傷つけたり、ダイヤモンドどうしで傷つけあう場合がありま
すので、他の宝石と一緒にしまわないようにしましょう。
一緒にしまう場合には、それらの他の宝石の出し入れの際に傷がつかないように保存しま
しょう。
火事には弱いこと
火事に遭えば約1000度で燃えること、燃えなくても表面が変化します。
表面が変化した程度ならば、再研磨により再び輝きを取り戻すことは可能ですが、費用が
掛かる事と重量(カラット数)が減少することは覚悟しなければなりません。
盗難の予防に配慮すること
長い期間使わない場合には銀行の貸し金庫など安全な場所に保管するようにしましょう。
以上