分娩について

出産は全くの個人の体験ですから、人によってずいぶん違うと思います。 すごく長かっ
た人、短く感じた人、大変だった人、楽だった人。 また、分娩にもいろいろなスタイル
があります。 これから何回かに渡って、個人の体験談をご紹介していきたいと思います

無痛分娩 | 座位分娩 | 計画出産 | 自然分娩


a.無痛分娩の話

 「やっぱり、あの産みの苦しみを味わわないことには」と諸先輩方に言われていたにも
拘わらず未知なる”痛み”に恐れを抱いていた私は、迷わず無痛分娩を選びました。 
病室がアパートから近いという理由で St.LUC へ通いました。 主治医の話では、ST.LUC
で出産する人の85%が無痛分娩を選んでいるとのことでした。 また、痛みがないきと
によってお産の時間が短くなる、母体と赤ちゃんへのストレスが少ないことを挙げ無痛分
娩を勧められました。 St.LUC の中でも医師によってやり方が違うようですが、私の場合
はあらかじめ無痛分娩を決めておき、麻酔のための血液検査を受けました。
 陣痛が始まり、病院へ行き、内診を受けた後は陣痛室に入ります。 分娩着に着替えて
用意が整うと、麻酔医から麻酔を受けます。 麻酔を打つのは子宮口が3ー6cmくらい
開いたときです。 麻酔は下半身への局所麻酔。 腰より少し上の脊髄の部分にまず麻酔
をし、長いチューブの付いた針を打ち込み固定します。 出産までの間3回に分けて、チ
ューブの先から麻酔薬を注入しました。 まず最初は右側を下にして横たわり、次に左側
を下に、最後に出産間際にベットに腰掛けた状態で、下半身全体に良く効くようにしまし
た。 事前に麻酔医に体重を訊ねられたので、体重と麻酔の量は関係あるようです。
 さて、麻酔が効き始めると痛みがほとんどないのであとは元気です。 分娩室には BGM
もかかり、リラックスできます。 出産は夫の立ち会いでしたが、私に痛みがないために
特に手伝うこともなく分娩室の中を色々見て回ったり、キネと三人でべちゃべちゃ世間話
をしたり。 出産経験者の友達に”信じられない!”と言われるぐらいの余裕でした。 
時は穏やかに過ぎていきましたが、いよいよ出産です。 陣痛促進剤は打ちませんでした
が、初産の割には時間が短いようでした。 子宮の収縮や子供が外へ出ようとしている感
じもよくわかりました。 人によれば、そういう感じは全然わからなかったという話も聞
きますので、私の場合麻酔医の当たりは良かったようです。
 ”PUSH”のかけ声に合わせて5回いきんだときに、この数ヶ月間大きかったおなかがす
ーっ、ぺたんとなったのです。 この瞬間は今でも忘れられない、不思議な感じでした。
その後、子供が生まれて”あなたの赤ちゃんよ”とおなかの上へ置かれたときは、びっく
りしました。
 ベルギーでの出産は不安だったのですが、夫の立ち会いや痛みがないことでリラックス
でき、自分自身満足のいく、いいお産ができたと思います。 また夫も立ち会い、夫婦で
感動を分けあえることができるので、満足しているようです。


本稿は PETITS-POIS a.s.b.l.の了解を得て、PETIT-POIS Vol.2(10/92)より転載させて
いただきました。 なお、転載にあたり、編集および若干の変更をしております。

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