真珠の評価


真珠評価の目的

有核真珠の評価
4S+2C | Size | Shape | Spot | Shine | 3S評価 | Coating | Color | 4S+2C評価

無核真珠の評価
有核真珠との違い



真珠評価の目的
真珠を評価することは非常に重要なのですが、
日本ではその評価方法がダイアモンドのように明確になっていません。
非常に日本的な「美しいものは美しい」といった主観的な評価に止まっています。
会社や個人によって評価の方法や基準が異なるのです。

ここでは、そんな状況の中で、客観的な評価方法の確立のために努力されている
「愛媛真珠検査委員会」の取り組みを中心に述べてみます。

なお、一般的な評価との比較を次の章の「真珠の価格」でしてありますので、参考にしてください。

写真は「愛媛真珠検査委員会」の真珠鑑別書です。

真珠

真珠評価の目的

  1. 本物である確認
  2. 宝石として真珠の範囲を確定する
  3. 人工的な処理による評価と本来の評価の違いの確認
  4. だれでもがその真珠の価値を確認できる
  5. だれでもが希少性を判断できる



有核真珠の評価

4S+2C

4S+2C 日本語 説明
Size 大きさ  直径をcmで表示
Shape 形状  基本の形(普通は真円)にどの程度近いか
Spot キズ  外部のキズはないか
Shine 輝き  真珠に当たった光がどれだけ反射するか
 (てり = Luster と 光の干渉 = Orient )
Coating 巻き  真珠層の厚さ
 内部の形状、内部のキズ、含有物の影響
Color 色  蛍光色、色むらを含む


 

Size 大きさ

直径を立体的に上下、前後、左右(X,Y、Zの各軸)をゲージで測り、
0.01mmの単位で計測します。
鑑定書への記載は最大直径と最小直径を0.1mmの単位で記載します。
なお、誤差率を次の方法で算出しておきます。
1−(最小直径値÷最大直径値)X100=誤差率(%)
鑑定書への記載は誤差率を0.01%の単位で記載します。

Shape 形状

真円の核を使用した場合の真珠の形状を分類すると次のようになります。
  1. ラウンド Round 5ポイント
  2. セミラウンド Semi-round 4ポイント
  3. セミバロック Semi-baroque 3ポイント
  4. バロック Baroque 2ポイント
ラウンドとは
誤差率2%未満のもの
(例)最小直径が7.0mmの真珠の場合、最大直径が7.13mmまで
セミラウンドとは
誤差率2%以上5%未満のもの
(例)最小直径が7.0mmの真珠の場合、最大直径が7.14mmから7.34mmまで
セミバロックとは
誤差率5%以上12%未満のもの
(例)最小直径が7.0mmの真珠の場合、最大直径が7.35mmから7.95mmまで
バロックとは
ラウンド、セミラウンド、セミバロックに該当しないもの
(バロックの意味については「名前の由来」の項を参照願います)
鑑定書への記載は測定結果に分類名(例、Semi-round)を記載します。
また、Shape Point としては該当するポイントを記載します。


Spot キズ

キズを分類すると次のようになります。
このうち、最後の二つの「加工キズ」のあるものは真珠としては認められません。
キズの分類名

 うろこキズ
 scale spot
 魚の鱗の様なキズ
 えくぼキズ
 dimple spot
 えくぼの様な凹状のキズ
 くぼみキズ
 hollow spot
 帯状に凹状のキズ
 サークルキズ
 circle spot
 凹状や凸状のキズが環に
真珠     真珠     真珠     真珠


 しみ
 blotch spot
 異なる色のしみあり
 シワ状キズ
 wrinkle spot
 シワの様なキズ
 にきびキズ
 pimple spot
 一部分だけ突起している
 丘状キズ
 hill spot
 山脈の様な突起
真珠     真珠     真珠     真珠


 人工キズ
 artificial spot
 人工的についたもの
 平らキズ
 flat spot
 平らになった様なキズ
 加工キズ1
 真珠として認めず
 表面に霜焼けの斑点
 加工キズ2
 真珠として認めず
 内部に色が抜けた箇所
真珠     真珠     真珠     真珠
キズはその大きさ一番の問題です。
ここでは、キズの大きさの程度により、
  1. 無キズ Flawless 5ポイント
  2. 小キズ Small spotted 4ポイント
  3. 中キズ Spotted 3ポイント
  4. 大キズ Large spotted 1ポイント
の4段階に分けています。

 

無キズとは
キズの大きさが下図の斜線部分に収まるキズは「無キズ」扱いとします。

真珠


 

小キズとは
キズの大きさが下図の斜線部分に収まるキズは「小キズ」扱いとします

真珠


 

中キズとは
キズの大きさが下図の斜線部分に収まるキズは「中キズ」扱いとします
球全体の四分の三にはキズが認められないが、四分の一にキズが認められるもの

真珠


 

大キズとは
中キズまでの判定に入らないもの全て
鑑定書への記載は目立つキズの種類として上記キズの分類名を表示します。
測定結果の欄にはキズの大きさを記載します。
また、Spot Point としては該当するポイントを記載します。


Shine 輝き

輝きを判定する方法はマスターパールによる比較です。
実際には輝き方によって
  1. ストロング Strong 5ポイント
  2. ファイン Fine 4ポイント
  3. ウィーク Weak 3ポイント
  4. ディム Dim 1ポイント
の四段階に評価しています。

鑑定書への記載は測定結果の欄には輝き方を記載します。
また、Shine Point としては該当するポイントを記載します。

3S評価の基準

4Sのうち、「Size 大きさ」を除く三つの要素は次のようにポイントを与えられ、 計算、評価されます。
ポイント
「Shape 形状」
ラウンド
Round
セミラウンド
Semi-round
セミバロック
Semi-baroque
バロック
Baroque
 
「Spot キズ」
無キズ
Flawless
小キズ
Small spotted
中キズ
Spotted
 
大キズ
Large spotted
「Shine 輝き」
ストロング
Strong
ファイン
Fine
ウィーク
Weak
 
ディム
Dim


「4S+2C」の評価における3S評価の計算式は次のようになります。
「Shape 形状」のポイント + 「Spot キズ」のポイント) X 「Shine 輝き」のポイント
(例) 形状が「セミラウンド」、キズが「無キズ」、輝きが「ファイン」の場合

(4ポイント+5ポイント)X4ポイント=36ポイント


   となります。

   この評価は50ポイントが満点ですから、
   36/50ポイントが3Sの評価になります。
なお、ネックレスで個々の球の品質が多少異なる場合には次のように評価します。

一連の中の悪い球10個を選び出し、最下位から5番目の球を評価基準とします


Coating 巻き

貝によって真珠層の巻き方が異なるので、次のように巻き厚の評価基準を定めています。

有核真珠の貝の種類による巻き厚の評価基準

ポイント 1.7 0.6

「アコヤ真珠」
0.6mm up
0.4mm up
0.3mm up
0.2mm up
under

「南洋真珠」
1.0mm up
0.8mm up
0.6mm up
0.5mm up
under

「黒蝶真珠」
0.9mm up
0.7mm up
0.5mm up
0.4mm up
under

「ビワコ真珠」
0.8mm up
0.6mm up
0.4mm up
0.3mm up
under


なお、巻き厚のポイントによる品質の表現をきめています。

GEM Quality
1.7 Precious Pearl
Semi-Precious Pearl
0.6 Bad Pearl
Not Pearl


鑑定書への記載は測定値には超音波検査器による
最小の数値を0.01mmの単位で記載します。
測定結果の欄には巻き厚のポイントによる品質の表現を記載します。
また、Coating Point としては該当するポイントを記載します。


Color 色

色は非常に複雑な上、個人によって好みの違いがあります。
そこで、色調を表示することは可能ですが、
「4S+2C」の点数による評価の対象にはなりません。
基本的な方法は人間が目で見て色のマスターと比較する方法をとります。

基本となる一般色の色調は次の七つとします。

Pink-Whiteピンク・ホワイト
Blue-Whiteブルー・ホワイト
Pinkピンク
Blueブルー
Whiteホワイト
Creamクリーム
Goldゴールド


特殊色の色調は次の九つとします。

Rose-Pinkローズ・ピンク
Blue-Grayブルー・グレイ
Creamish-Pinkクリーミッシュ・ピンク
Creamish-Greenクリーミッシュ・グリーン
Greenグリーン
Creamish-Grayクリーミッシュ・グレイ
Grayグレイ
Yellowイエロー
Creamish-Whiteクリーミッシュ・ホワイト


鑑定書への記載は測定結果の欄には色調名を記載します。

4S+2Cによる評価

「4S+2C」の評価における計算式は次のようになります。
「3Sの評価」のポイント X 「Coating 巻き」のポイント
(例) 形状が「セミラウンド」、キズが「無キズ」、輝きが「ファイン」で巻きが「0.8mm」の
   アコヤ真珠の場合

   まず、3Sを計算し、
(4ポイント+5ポイント)X4ポイント=36ポイント
   となります。

次に巻きが「0.8mm」ですから、アコヤ真珠の場合は2ポイントを掛けて
36ポイントX2ポイント=72ポイント


   100ポイントが満点ですから、
   72/100ポイントが「4S+2C」の評価になります。



無核真珠の評価

有核真珠との違い

無核真珠が有核真珠と異なる点を「4S+2C」の評価に則って検証してみます。
Size 大きさ
   無核真珠の場合には基本的に球形ではないので、
   最大値と最小値を表示するにとどまります。

Shape 形状
   無核真珠の場合には基本的に球形ではないので、
   形状を評価することはできません。
   よって、「4S+2C」の鑑別書では形状の評価は記載されません。

Spot キズ
   無核真珠のキズを有核真珠の基準で論じた場合、
   多くの場合「大キズ」になってしまいます。
   よって、「4S+2C」の鑑別書ではキズの評価は記載されません。

Shine 輝き
   有核真珠の場合と同様に評価できます。
   表面積が広く、全体としての輝きが判定できない場合には、
   一番輝きが劣る部分をマスターと照合し表示します。

Coating 巻き
   無核真珠の場合には基本的にはその真珠の
   大きさが真珠層の厚さになります。
   但し、多くの場合、中心に空洞があるので、
   その空洞部分は除かねばなりません。
   鑑別書には有核真珠の場合と同様に
   最大直径と最小直径を表記します。

Color 色
   有核真珠の場合と同様に色マスターと照合し表示します。


 
文頭に戻る
次項 第4章 購入上の注意事項 へ