<スター石 Star stones と アステリズム Asterisum

 
 
 

 スター石 Star stones
宝石の美しい色の中に、星のような神秘的な輝きが現れるものがあり、スター石と呼ばれて珍重されます。
スターを出すことのある石の代表はルビーとサファイアですが、水晶、ガーネット、スピネルなどにも出すものがあります。

スターには6条の星彩線を持つものと4条の星彩線を持つものがあります。
また、反射光によるアステリズム、すなはち、エピアステリズム(Epiasterism)と透過光によるアステリズム、すなはち、ディアステリズム(Diasterism)があります。

 写真はスタールビーです。
 
 スター石のいろいろ
アステリズムはルビーやサファイアのコランダムだけでなく、下の写真のように、水晶、や アルマンディンガーネットにも現れます。 このほかにもスピネルなどにもスターが現れます。

左端の紅水晶には、コランダムと同じルチルの針状結晶が三方向に平行に並んで含まれている場合があり、三本の光のバンドが現れます。 しかし、表面から見ても、ほんのりとアステリズムらしいものが見えるだけという場合が多いようです。
これはルビーやサファイアのように反射光によるアステリズム、すなはち、エピアステリズム(Epiasterism)とは別に、透過光によるアステリズム、すなはち、ディアステリズム(Diasterism)と呼ばれます。

中央の青い色の水晶は透過光による効果をより明確にするために石の裏側を青色に着色して、銀メッキを施し、スターサファイアに似せたものです。

右端のアルマンディンガーネットに見られるアステリズムは、反射光によるエピアステリズム(Epiasterism)で、十字架のように、二本の光のバンドが互いに直交しています。 アルマンディンガーネットの場合は繊維状の輝石や角閃石が含まれていて、これらの包有物が互いに直交する二方向に平行配列しています。
なおスピネルの場合はルチルの針状結晶が含まれており、同様の十字架の形にアステリズムが現れます。

 

 アステリズム Asterism
ルピーとサファイアの美しい色は不純成分によるのですが、この不純成分は結晶の中に溶けこんでいますので、石は透明です。 ところが、中には半透明や不透明の石もあり、このような石をカボションカットに磨きますと、三つの方向に光のバンドが現れることがあります。
光のバンドは、石の中や上に固定されていなくて、石を傾けますと傾けた方へ動きます。
このような現象をアステリズムまたは星彩といい、アステリズムを示す石をスター石と呼びます。
また、石の名前をスターの後につけて呼んでいます。
写真はスターサファイアです。

 アステリズムの原理
スター石をルーペで見ても、石の中に何かが入っているらしいことはわかりますが、もやもやしいて何であるかはわかりません。 そこで、顕微鏡で見てみますと、針状の包有物が沢山入っていることがわかるでしょう。

これらの針状物は、右図のコランダム結晶の底面に描いてあるように、60度あるいは 120度の角度で交わる三つの方向に伸びて、平行して配列しています。
混乱をさけるために、図では六角短柱状結晶の底面にだけ描かれていますが、針状包有物は結晶全体に含まれています。
包有物の大きさも、顕微鏡で見えないほど小さい場合もあります。

これらの封状包有物は小さいために、何であるかは人によって議論の分かれるところですが、ルチル(組成は酸化チタン TiO2)の針状結晶という説が有力です。コランダム結晶の中にはチタンはほとんど溶けこみませんので、コランダム結晶の小さな割れ目やすき間に酸化チタンが侵入してルチルの結晶ができたという説、コランダム結晶が成長しているときにルチルの針状結晶も三方向に平行配列しなから同時に成長したという説、などがあります。
いずれにしても、平行配列する三方向の酸素原子の並び方が両方の結晶で似ているために、コランダムの酸素原子の並びにあわせるようにルチルの結晶か成長しているわけです。

アステリズムが起こる原因はシャトヤンシーの場合と同じです。シャトヤンシーは、針状包有物が一つの方向に伸びて平行配列しているために、光のバンドが一本現れるわけですが、アステリズムの場合は、ルチルの針状結晶が三つの方向に並んで入っていますので、それらに光があたって星状の三本の光のバンドが現れるのです。

左図に描いてあるA−A、B−B、C−Cの破線は、紙面に平行でしかもお互いに 60度の角度で交わる、ルチルの針状結晶の平行配列の方向を示しています。紙面の斜め上から図のように平行光線が入射して、例えばA−A方向に並んだルチル結晶にあたりますと、光はA’のように円錐状に散乱します。B−BやC−Cの場合は、B’やC’のように散乱します。
そうすると、図に太線で描いてありますように、散乱光線がつくる三つの円錐は一点で交わり、お互いに 60度で交差する光のバンドになります。その軌跡が、シヤトヤンシーの場合と同様に、カボションカットされた石の上の空間で焦点を結び、アステリズムになるわけです。