<ペリドート peridot(橄欖かんらん石)=オリビン olivine>

名前の由来と歴史 上部マントル層の構成物質 化学式などのDATA 産地 合成宝石
 
 

名前の由来と歴史

ペリドートの名前の由来は定かではありません。

ところで、Peridot はどう読む(発音する)のでしょう?
日本語でもペリドート以外にペリドットと書いてある書物もあります。
英語の場合、Pare-a-doh, or pare-a-dot と人によって発音の仕方が違うようです。
これは名前の由来に関係しているという人もいます。
一つ目はアラブの言語の faridat すなはち、「真珠や宝石をさす言葉」からこの名前がついたという説です。
二つ目はオールド・フレンチの peritot すなはち、「オパールの一種」からこの名前がついたという説です。
どちらが正しいのかわかりませんが、それによって、最後の't'を発音するのかどうか変わってくるとされます。

オリビン(橄欖かんらん石)の名前の由来はそのオリーブ・グリーン olive green の色に由来します。
日本語の橄欖石は同様にオリーブ(橄欖)色の石という意味です。

米国や英国ではオリビン Olivine と呼ばれることが多いようです。
なお、ドイツではクリソライト Chrysolite と呼ばれます。
これはギリシア語の”khrusos:金色“に因んで付けられた名前です。

ペリドートは屈折率が高いため、明るい緑色が映えることが特徴の宝石です。
ローマ人はその石が夜暗くなっても、まだ見る事ができ、色が暗くならなかったので、「イブニングエメラルド」と呼んだとのことです。
後に、ペリドートは十字軍によって持ち帰られ、中世の教会の装飾に使われました。
200カラット以上ある大きなペリドットが、ケルン大聖堂 Cologne Cathedral にある東方の三博士の聖堂 Shrine of the Three Magi を飾っています。

ペリドートは一つ種類の色しかない宝石の一つです。 基本的にはオリーブ・グリーンです。
しかしながら、構成しているマグネシウムに対して鉄の割合が多くなると色が黄緑色から茶緑に変わります。
ペリドートは時折エメラルドと間違えられます。 緑色が濃いほうが価値があるようです。

ペリドートはパラサイト隕石から見つかることがあります。 隕石から見つかる唯一の宝石です。
ペリドート/オリビンは八月の誕生石です。
 
 

上部マントル層の構成物質

橄欖かんらん石は地球には沢山ある石なのです。 ただし、宝石質のものがあるかは別の話です。
ここではマントルの構成物質であるということを理解しておいていただきたいと思います。

鉱物相による上部マントル層の分類については、上位から

 かんらん石 Forsterite
 Fayalite
 α-Mg2SiO4
 Fe2SiO4
 変形
 スピネル相
 Wadsleyite β-Mg2SiO4
 スピネル相 Ringwoodite γ-Mg2SiO4

となっています。
マントル構成物質は、この境界を移動するごとに相転移し結晶構造が変化、密度も変化します。

かんらん石の層はモホ面から440km不連続面までで、マントルの最上部を占めます。
この層は、地殻とともに圧力や温度、水分含有量などの条件により、部分溶融を起こしマグマを生成します。

 
 

化学式などのDATA

 

宝石名: 橄欖石(ペリドート) Peridot
鉱物名: 苦土(マグネシウム)橄欖石 Forsterite
  鉄橄欖石 Fayalite

結晶形
(Crystal System)
化学組成
(Composition)
モース硬度
(Hardness)
比重
(Density)
劈開
(Cleavage)
断口
(Fracture)
斜方晶系
(Rhombic)
 Forsterite = Mg2SiO4
(Mg,Fe)2SiO4
 Fayalite = Fe2SiO4
6.5−7  3.34 + 0.14/- 0.06 なし 貝殻状

   

屈折率
(Refractive Index)
複屈折
(Birefringence)
分散度
(Dispersion)
光学軸/記号
(opt. Axis/Sign)
多色性その他
(Pleochroism etc.)
1.654−690 0.036 - 0.038 0.012 - 0.013 2 / P or N  見かけの二色性(明)
黄緑:緑

   

主な色
(Color)
透明度
(Transparency)
光沢
(Luster)
蛍光性
(Fluorescence)
分光特性
(Absorption Spectra)
カラーフィルタ
(Color Filter)
黄緑、帯緑黄
緑、帯褐緑
透明 ガラス 長波:変化なし
短波:変化なし
493 473 453nm に
3本の鉄バンド
変化なし

   

スペクトラム
(Spectrum)

   

 
 

産地

紅海のセントジョン島 St John's Island (Zagbargad; Zebirget; Topazios) 、パキスタンのPakistan's North West Frontier, Kohistan, Soppat Valley Sapat Gali (Soppat; Suppat; Sumpat), Manshera, Naran-Kagan Valley, Kohistan District, North-West Frontier Province
 
 

合成宝石