宝飾品に使用される
貴金属について

 
| プラチナ | | パラジウム | | | チタン


 
貴金属とは金、銀、プラチナを含む
白金族(プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム)
をいい、銅、鉄、チタンなどは含まれないのが普通ですが、
(CIBJOは、ジュエリー用貴金属を、金、銀、プラチナ、パラジウムの4種に限定しています)
ここでは、宝飾品に使われることがあるので、含めて述べてあります。

  密度(比重)
density
(g/cm3)
融点
melting point
(℃)
沸点
boiling point
(℃)

gold
19.32
1064
2800
プラチナ
platinum
21.45
1769
3827

silver
10.50
 962
2210
パラジウム
palladium
12.02
1554
3140

copper
 8.96
1084
2567

iron
 7.87
1535
2862
チタン
titanium
 4.54
1660
3287


密度と比重の違いについては第1章の「鉱物と物理的特性」の中の「比重 Specific gravity」を参照願います。
金、プラチナ及び銀は、そのままの 100 % の純度では軟らかすぎて通常は使えません。
多くの場合、銅などの他の金属と混ぜ合わせられ合金として使用されます。

欧州では各国毎に貴金属のスタンダードがありますが、現在、ECで基準案が作られているので、
この基準案で採用されている純度を左側に 1000 分の 1 の単位 ‰ permil で表示しました。

[ ]でくくった数字は主として現在は日本でのみ使用されている製品の参考値を対比しました。

(参考):18金の場合、日本では K18 と数字の前に K を付けますが、
     米国や欧州では 18 k と k を数字の後ろに付けます。
     最も欧州では 1000 分の 1 の単位 ‰ permil での表示の方が一般的です。
     K24 などの K は Karat カラット(品位=金製品の金の純度を24分率で示す単位)の意味です。


 


金 gold
(元素記号 Au)


金の性質


金は黄金色して光り輝きます。
純粋な金は腐食したり、変色したり、錆びたりすることはありません。
金は他の如何なる金属よりも延性に富み、1g の金は約 3000m の長さの線になります。
金は他の如何なる金属よりも展性に富み、1g の金は約 0.1 ミクロンの箔になります。
金の融点は 1064.4゚C ですが、14金の合金にすると、融点は 830゚C 程度に下がります。
他の多くの金属に比べて柔らかくモース硬度で 2.5-3.0 程度で、普通合金にすると硬くなります。
多くの金属に比べて重く、密度は 19.32g/cm3(20゚C) で銀や鉛の倍近い重さです。
どうして純金を使わず割金を入れて しまうのでしょうか?その理由は大きく2つあります。
  1. 純金はやわらかすぎてキズがつき易いという使用上の問題があります。
    例えば宝石を留める爪が純金だと服に引っかかった時など爪が曲がってしまいます。
    一般的に金属は純粋なものはやわらかく他の金属を混ぜると硬くなります。
  2. 割金の割り合いを変えたり他の金属を入れる事より、
    ピンクゴールドやホワイトゴールドなど地金のバリエーションを増やす事が出来る為です。


山金と砂金の話

金を得るには金山から掘り出す、いわゆる山金やまきん
それが川に流れて砂として堆積する砂金さきんを拾う二つの方法とがあります。
この他に他の金属を精錬する時にも得られます。
近年は家電の基板などからのリサイクルも馬鹿になりません。

面白いというか不思議なことに山金の純度がK18〜K20であるのに、
それが川に流されて出来た砂金のほうはK20〜K22と純度が高いのです。
また、川では山金では見られない大きな砂金の塊 ナゲット nugget が見つかることもあるのです。
1850年頃にアメリカのカリフォルニアで起きたゴールド・ラッシュは砂金を求めたものです。


金の産地

主要な産地は南アフリカのトランバール州、カナダのカークランド・レイクなどです。
日本では主として山金の佐渡の金山が有名ですが、ずっと以前に廃鉱になっています。
現在も採掘されている唯一の金山は鹿児島県伊佐市の菱刈地区東部の菱刈鉱山です。
菱刈鉱山の鉱床は九州の火山活動に伴う「浅熱水性鉱脈型金銀鉱床」と呼ばれています。


金は錆びないか?

金は錆びないものという先入観を持っておられる方が以外に多くおられます。
確かに、金は純金の場合には錆びないのですが、18金の場合には銀や銅が入っていますから、
これらの銀や銅が錆びるのです。
それでも、普段に使っているものは擦れてあまり錆びることはありませんが、
少し使わないでいると錆びてくるものです。


金は何故黄金色に輝くのか?

この理由はちょっと簡単には説明しにくいのですが、相対性理論に関係があります。
電子は原子核の周りを回っていますが、電子の速度が速くなり光速に近づくと質量が増加します。
原子の1s軌道の電子の平均速度は原子番号に比例して速くなります。
電子の質量が増えれば軌道の半径も収縮します。 すなはち、s軌道の収縮がおきます。
s軌道の収縮は他の軌道にも影響を与え、結果的にd軌道とf軌道は離れていきます。
これが相対論的効果ですが、金と水銀がこの影響を最も受けやすいとされています。
金が黄金色に輝くのはこの相対論的効果のために原子軌道の大きさが変わり、
電子遷移時に電子が青から紫の可視光を吸収するからで、金はその補色である
赤から黄色の光を反射して黄金色になると説明されます。


純度

    イエロー・ゴールド yellow gold(YG)


‰(パーミル)
造幣局刻印
説明
[1000]Jewelry 新素材として陶芸と同じ方法で純金製品が作れる「純金粘土」 K24 (24金)が 登場しました。
(右の写真)

成形後、焼き上げると純金の製品の出来上がりです。
18金の粘土もあります。
加えて、従来の 24金と比較して、引っ張り強度で 1.5倍で 硬度が 4倍という表面硬化による 「硬化純金素材」をM社が開発し、チェーンなどへの商品化が なされています。
[998]
Jewelry
24金では、コンマ数%の微量の割金を入れて 18金 並の硬度を
実現した 割り金入り24金があります。
硬度が格段に向上し、18金と同様に使えるようになりました。
[990]1984年にドイツのB社が開発した、金に 1 % のチタンを混ぜた 990ゴールドは
18金よりも丈夫で、アレルギーを起こしにくく、
また耐摩耗性は 14金以上であると言われています。
キャスト加工とロウ付けが可能になったので、今後の普及が期待されています。
915
Jewelry
22金にあたります。 22金以上のものを高品位ジュエリーと呼んでいます。
欧州では純度の表示はきりのよい915を使っていますが、
日本では22金にこだわり、916や917を使う場合が多いようです。
[835]
Jewelry
20金にあたります。 日本の造幣局ではこの刻印も設定しています。
750
Jewelry
18金は銀と銅を 25 % 混ぜて使用されるのが極く普通です。
25 % の銀と銅の比率の違いによって、色や硬さが変化します。
日本では昔は銀4銅6の比率の地金が多かったのですが、
現在では銀5銅5の比率や銀6銅4の地金が多く使われているようです。
銀の割合が多いと地金の色は黄色から青葉色になり、
「青割り」と呼び、多少軟らかくなります。
反対に銅の割合が多いと地金の色は赤っぽくなり、
「赤割り」と呼ばれ、多少硬くなります。
欧米では銀9.5% 銅15.5% のものをブライト・イエロー Bright yellow と呼び、
一番一般的に使われています。
また銀のみのものをディープ・グリーン Deep green と呼んでいます。
[625]
Jewelry
15金にあたります。 日本の造幣局ではこの刻印も設定しています。
585
Jewelry
14金は銀と銅を 24 分の 10 混ぜて使用します。
欧米では銅29% 銀12.5% 混ぜたものをブライト・イエロー Bright yellow と呼んでいます。
[500]
Jewelry
12金にあたります。 日本の造幣局ではこの刻印も設定しています。
[417]
Jewelry
10金にあたります。 日本の造幣局ではこの刻印も設定しています。
375
Jewelry
9金にあたります。
国際的には金が 3 分の 1 から半分程度のものもあり、
ECでは K9 を基準にしています。
これらの金の合金は後述のホワイト・ゴールドに対してイエロー・ゴールドと呼ばれます。


    ホワイト・ゴールド white gold(WG) と呼ばれるものがあります。


英語をそのまま訳して漢字で書くと白金となりますが白金(プラチナ)ではありません。
また、ホワイト・ゴールドという金属元素がある訳ではなく、金にニッケルと時に亜鉛、
スズまたは銅などを混ぜて白くしたり、パラジュウムと亜鉛と銅を加えた合金を言います。
仕上げにロジウム Rh でメッキする場合もあります。
普通の金の場合と同様に 18金や 14金があります。
18金の場合、金75%、銀15%、ニッケルまたはパラジウム10%が一般的です。
ニッケルを含むホワイト・ゴールドはアレルギーの人には適しません。
  (詳細は「ピアス・トラブル<金属アレルギーについて>」の項を参照願います。)
そこでロジウム・メッキをしてアレルギーになることを防ぎます。
欧米の 14金ホワイト White の場合、普通、金58.3% 銅23.5% ニッケル12.2% 亜鉛6% です。


    ピンク・ゴールド pink gold(PG) と呼ばれる銅を加えピンク色にした金も同様に開発されています。

18金の場合、金75%、銀10%、銅15%が一般的です。
欧米のディープ・ピンク Deep pink と呼ばれるものは 18金で銅が 25% 混ざったものです。


    レッド・ゴールド red gold(RDG) と呼ばれる割り金の銅比率が多い、
赤みのある金合金も同様に開発されています。

18金の場合、金75%、銅25%が一般的です。


    グリーン・ゴールド green gold(GRG) と呼ばれるものがあります。
イエロー・ゴールドの銀の割合を多くして黄色みを強くしたもので別名「青割」とも呼ばれています。

ピンク・ゴールドとは逆に銀:銅の割合が7:3や8:2、9:1位にしていくと、青っぽくなり、
これを青金(グリーンゴールド)といいます。 18金の場合、金75%、銀25%の物が良く知られています。


Jewelry Jewelry Jewelry Jewelry
 イエローゴールド
 yellow gold
 ホワイトゴールド
 white gold
 ピンクゴールド
 pink gold
 グリーンゴールド
 green gold


色つきの金と混合金属要素



金属要素

 イエローゴールド
 yellow gold

 ホワイトゴールド
 white gold

 ピンクゴールド
 pink gold

 グリーンゴールド
 green gold

 

 金、銀、銅
 

 金、銅、ニッケル、亜鉛
 (金、銅、パラジュウム、亜鉛)

 金、銀、銅
 

 金、銀、銅、亜鉛
 
 


    エレクトロ・フォーミング Electro Forming 技法

フランスのG社が普及させた中空加工技術、エレクトロ・フォーミング技法とは
電気鋳造法のことで電解液(金の溶けている液)の中に電気を通じて、
型や母型に金を電着させ成形する新しいタイプの宝飾品製造技術です。
通常、18金です。 中空構造なのでボリューム感があり、
軽くて立体的なデザインが可能になる他、金額的にも大きさの割に安く仕上げられます。
本物の金は重くて高価であるという今迄の常識を覆す新技術です。
ガルニエ社の場合ボリューム感のあるかなり大きなピアスでも1個につき
7.5g を越えないといいます。 現在では日本でも多くの社がこの技法で製品を作っています。

    好みの香りを自由に染み込ませるもの

18金そのものに好みの香りを自由に染み込ませるものがI社から発売されています。


 
一定量の金を含有しないものは金と呼ばない事が国によって決められています。
フランスやイタリーでは 18金、米国では 10金、英国やカナダは 9金以上です。


    なお、金の広報機関としては、ワールド・ゴールド・カウンシル (World Gold Council)
    通称WGCがあります。
 


プラチナ platinum
(元素記号 Pt)
 
プラチナの発見は 18世紀で実際に利用できるようになったのは 19世紀後半になってからです。
今日までに発掘された量は僅か 2000 トンと金の 50 分の一にしかすぎない希少金属です。
プラチナの価格は金より若干高いのが普通です。
(過去3回程、金より価格が低くなったことがあります。)
多くの国では婚約指輪や結婚指輪には金を使いますが、日本だけは例外で、
大部分がプラチナを使うとされています。
実際、全世界のプラチナ・ジュエリーの何と 75% が日本によって買われているのです。


白金族と呼ばれる金属元素には、
原子
番号
元素名元素記号 原子
番号
元素名元素記号  原子
番号
元素名元素記号
44
ルテニウム
ruthenium
Ru 
45
ロジウム
rhodium
Rh  
46
パラジウム
palladium
Pd
76
オスミウム
osmium
Os 
77
イリジウム
iridium
Ir 
78
プラチナ
platinum
Pt
があります。
これら6元素は互いによく似た性質を示します。
いずれも硬くてもろい銀白色の金属で、融点が高く、酸に侵されにくく、
比重が大きく、展性に富みます。
産出する時にも白金属は交じり合って産することがおおいものです。
ルテニウムはハードディスクの磁性層の磁気密度をあげるのに使われます。
ロジウム、パラジウム、プラチナは自動車の排気ガス浄化用の触媒として使われます。
パラジウムの膜は水素を分離するのに利用されます。
オスミウムとイリジウムは合金として産出することが多い。
オスミウムの多い場合をオスミリジウム、イリジウムの多い場合をイリドスミンとよびます。
万年筆のペン先のポイントにイリジウムの白金属の合金が使われます。
プラチナはさまざまな触媒として利用されています。
プラチナの化合物であるシスプラチンは抗がん剤として使われています。


プラチナの性質


プラチナは銀白色で輝きますが、金や銀ほどではありません。
純粋なプラチナは腐食したり、変色したり、錆びたりすることはありません。
プラチナは他の金属よりも延性や展性に富みますが、金ほどではありません。
また、合金になると、より硬くなり、細工しにくくなります。
プラチナの融点は 1770゚C ですが、金の 1.65 倍も高く、細工しにくいのは確かです。
金や銀に比べて硬くモース硬度で 4.3 程度で、鉄と同じです。
多くの金属に比べて重く、密度は 21.45g/cm3(20゚C) で金よりも重いのです。


プラチナ自体は金の場合と同様に錆ません。
割金に使用するパラジウムも白金属で化学反応しにくい金属なので、割金にもよりますが、
一般的には錆の心配はしなくてもよいでしょう。


純度

‰(パーミル)
造幣局刻印
説明
[1000]新素材として陶芸と同じ方法で純白金(プラチナ)製品が作れる「純白金粘土」
が登場しました。 成形後、焼き上げると純白金(プラチナ)の製品の出来上がりです。
[998]
Jewelry
近頃、日本では Pt1000 というものも出てきています。
非常に日本的な商品です。

この Pt1000 は既にロゴ・マークも制定されていますし、
婚約指輪を中心に需要を伸ばしています。
Pt1000 の場合、純プラチナとして発売していますが、
大蔵省造幣局の純白金の検定を受けているとは
言うものの実際には 0.2 % 程度の割金が入っているようです。

(大蔵省造幣局は
「純金、または純白金と認定する素材含有率の基準は公表していない」
としていますが、関係者の見方では 99.8 % 程度であるとされます。
そこで、0.2 % 程度の異素材を混ぜることで素材を強化し、
かつ純白金のお墨附きをもらうのです。)

後述のPGIでは、Pt1000 の仕入れの際には次の点を確認するよう求めています。

 @ 大蔵省造幣局の検定マークが付いているか、 検定に合格したものには、
   品位検定区分(純白金)と政府証明マークがついています。
   (日の丸の旗と純度を示す数字 1000 を菱形で囲ったもの
   及び四角の中に Pt の文字=左の造幣局刻印参照)

 A 硬度は Pt900 と同じビッカース硬度 130 があるかどうか、

 B サイズ直しをすると焼きなましの状態
   (硬度が下がってしまう状態)にならないかどうか

プラチナの場合は Pt1000 以上を高品位ジュエリーと呼んでいます。
950
Jewelry
Pt950 は高級品には使われています。
900
Jewelry
プラチナ(日本語では白金)は通常 10 % のパラジウムを混ぜて
Pt900 として使用されます。

K18 と比較すると軟らかく(銀よりは硬い)、耐久性は落ちるものの工作しやすい地金です。
近頃はハード・プラチナと呼ばれる硬い Pt900 が出始めています。
これはプラチナにパラジウムと銅またはパラジウムとコバルトあるいはパラジウムに
タングステンを加えた三元合金にして硬さを増したプラチナです。
いずれもパラジウムだけを割金に使った Pt900よりも硬く、
若干工作はしにくいものの耐久性はあります。
850
Jewelry
なお、チェーン類には普通はパラジウムと銅を割金にした Pt850 が使われています。
[770]特殊な磁気医療器としてプラチナそのものに磁気を半永久的に持たせることに成功した
「マグネスファイン」という名のプラチナ 77 % の合金がI社から出されています。
これは専ら指輪用として使われています。
750パラジウムと銅を四分の一程度割金にした合金も一部で使われています。


中空加工やプラチナにフィルム状の金を張り付けたプラチナ・クラッド材もあります。
 
少なくともプラチナが 85% 以上含まれない物は普通、プラチナとは呼びません。
 
なお、プラチナの広報機関としては、プラチナ・ギルド・インターナショナル (Platinum Guild International)
通称PGIがあります。
 


銀 silver
(元素記号 Ag)
 
‰(パーミル)
造幣局刻印
説明
[1000]
Jewelry
Jewelry日本の造幣局ではこの刻印も設定しています。

素人でも純銀に近いもので細工が出来るようになりました。
純銀粘土(PMC;Precious Metal Clay)です。
銀の小さな粒子と有機バインダーを混ぜて作ります。
粘土造形の感覚で作品を成形し、乾燥、焼成することで貴金属を自由自在にかたち創ることができます。
焼成後の銀の品位は、99.9%です。
[958]ブリタニア・シルバー Britannia silver と呼ばれる銀 95.84% の合金があります。
[950]
Jewelry
銀は銅を 5 % 混ぜて 950銀、または銅を 7.5 % 混ぜて 925銀として使われます。
925
Jewelry
銀の含有率が 92.5 % 以上のものは、スターリング・シルバー sterling silver
(日本語では純銀)
と呼ばれます。
割金が入っても18金に比べるとだいぶ軟らかく、傷つき易いものです。
多くの場合、製品の裏側などにホールマーク Hallmark と呼ばれる、
スターリング・シルバーを認証する小さな打刻印があるものです。
[900]
Jewelry
日本ではコイン・シルバーの名前で純度 900 のものが使われています。
835スターリング・シルバーとまではいかない銀製品に 835銀や 800銀があります。
835銀 はダッチ・シルバーとも呼ばれます。
800
Jewelry


銀は錆易く、余程こまめに手入れをしないとすぐに黒ずんでしまいます。
また、銀は硫黄に反応して硫化銀となります。
銀のアクセサリーなどを硫黄温泉に持って行ったら真っ黒になってしまいます。
Jewelry
Christofle Sterling 925
 
普通、銀食器として売られているものは洋白銀器で単なる銀メッキ silver plate の製品です。
勿論、高級な銀食器と呼ばれるものは 925銀のスターリング・シルバーで出来ています。
特に、砒素が銀にふれると黒変してしまいます。
昔は毒殺に砒素が多く使われました。
料理の中に砒素があることが分かる銀器が食器として使われるようになったのです。

中国料理で、象牙の箸が使われるのも同じ理由によるとされています。
象牙が砒素に触れると赤変するので、砒素があることが分かるのです。

 
洋白銀器(銀メッキ)は高価な純銀製カトラリーの代用として考えられたものですが、
この銀メッキによってそれまで一部の王公貴族の専有物だったシルバーカトラリーが
一般家庭にも急速に普及したといわれています。
今では銀器といえば一般的にこの洋白銀器をさすほどです。
洋白銀器の素地になっている基材は銅とニッケルと亜鉛とからなる合金で、
光沢や色が銀に似ていることから洋銀(洋白)または、ニッケルシルバーと呼ばれています。
これでつくられた素地を純銀で電気メッキによって覆ったものが洋白銀器です。
手に取った時の重量感(比重)も銀に近く、外観もまったく純銀製と変りません。
 
写真立ての枠の場合は錆びない特殊塗料によりコーティングされている場合も多いようです。
芸能人や運動選手の小形の肖像写真をブロマイド bromide と言いますが、これはもともと臭化物という意味で、
臭素 bromine からきています。
白黒の写真は臭化銀 silver bromide AgBr に光があたると変色する作用を利用していたので、それが印画紙をさすことになり、
芸能人や運動選手の小形の肖像写真をブロマイド bromide と呼ぶようになったのです。
ですから、昔は写真屋さんから現像液を回収して、銀を取り出す商売もあったのです。
加工賃は金やプラチナと同じですが、素材の1gあたりの原価は二桁近く違うため、
銀は宝飾品として扱われるよりも、アクセサリーとして扱われることが多くなってきています。
 
銀に金メッキというのもあります。
 
    なお、銀の広報機関としては、英国にはシルバー・トラスト (Silver Trust) があります。
    日本ではまだ活動していないようです。
 


パラジウム palladium
(元素記号 Pd)
 
‰(パーミル)説明
950ドイツなどではパラジウムの製品がありますが、日本では殆ど見かけません。
500パラジウムが半分の製品もあるようです。


パラジウムは主に自動車産業での触媒やプラチナの割り金として使われますが、
単独で宝飾品として使われることはあまりありませんでした。
PALLADIUM
PALLADIUM の指輪

最近になって日本でも一部で使われだしたようです。
プラチナよりも、

2010年11月26日付けの日本経済新聞の記事を参照願います。

パラジウムの利用方法としては、来るべき水素エネルギーの社会で
混合気体から水素を分離するのにパラジウム膜が使用されるでしょうし、
パラジウムの面心立方構造という原子配列がパラジウムの体積の900倍以上の水素を吸収できることが
水素の輸送に役立つことが期待されています。

 

その他の金属 @
銅 Copper
(元素記号 Cu)


洋銀または洋白 Nickel silver or German silver
Jewelry 洋銀または洋白は銀と名が着いていますが銀ではありません。
銀白色で美しく、強度、耐蝕性に優れているので、食器や装飾品に使われます。
成分は銅 63(45-65)%、ニッケル 14(6-35)%、亜鉛 23(15-35)% の合金です。
日本の500円硬貨は銅72%、亜鉛20%、ニッケル8%の普通は洋白といわれる合金です。
ただし、日本の造幣局はこれをニッケル黄銅と称し、材質の正式名称としています。

青銅 Bronze
青銅は鋳造性がよく、強度および耐蝕性に優れているところから
Jewelry 青銅器時代というのがあったくらい盛んに使われました。
現在でも彫刻などの美術工芸品、鐘などに使われます。
成分は銅と錫(10-35%)の合金です。
他の多くの銅合金も青銅と称され、アルミニウム青銅、ベリリウム青銅、ケイ素青銅などと呼ばれます。
日本の10円硬貨は銅95%、亜鉛4%、錫1%の青銅製です。

真ちゅう(黄銅)Brass
Jewelry 真ちゅうは銅と亜鉛の合金で工業用には最も多く使われる銅の合金です。
亜鉛濃度 45% までの範囲で使われます。
日本の5円硬貨は銅60-70%、亜鉛40-30%の黄銅製です。
昔は銅と亜鉛だけでなくスズなどを含め他の金属との合金を総称してブラスと呼んでいたようです。
金管楽器はブラス、と呼ばれるように真鍮からできています。
楽器では銅:亜鉛=7:3という組成が「イエローブラス」そして
ヤマハでは、 85:15が「ゴールドブラス」、9:1が「レッドブラス」と呼ばれているようです。

白銅 Cupronickel
銅を主体としニッケルを10%から30%含む合金です。
日本の100円硬貨、50円硬貨、旧500円硬貨は 銅75%、ニッケル25% の白銅です。

Jewelry Jewelry Jewelry
Jewelry

ピンチベック Pinchbeck
ピンチベックは金のイミテーションとして作られた銅と亜鉛の合金で金色銅とも言います。
1700年代にロンドンの時計メーカーのクリストファー・ピンチベック Christopher Pinchbeck が発明したものです。
このメーカーはピンチベックの宝石は盗難のリスクのある場合に替えて使うものであるとラベルに明示していました。
しかしながら、後の不正直な宝石商が金としてごまかしたりしたので、
今日ではピンチベックという言葉が「にせもの」や「安ピカもの」を意味するようになりました。

右の写真は卵型の小写真などを入れるロケットでビクトリア調の花がデザインされたアンティークです。

銅製品は宝飾品には入れないのが一般的です。
 


その他の金属 A
鉄 Iron
(元素記号 Fe)
 
Jewelry
マルカジットまたはマーカサイト Marcasite
マルカジットは白鉄鉱のことを指しますが、宝飾業界で言うマルカジットは
黄鉄鉱 Pyrite を六面体のローズ・カットにして、銀台にセットした装身具のことを指します。
(当時は白鉄鉱と黄鉄鉱の区別が明確でなかったために現在から見ると、このような間違った呼称になりました)
黄鉄鉱は古代ギリシャの時代から宝飾品として使われて来ましたが、
18世紀中期及び 19世紀中期には、英、独、仏を中心に大流行しました。
歴史的な素材です。
右の写真はマルカジットのブローチです。


Jewelry
カット・スティール Cut steel
カット・スティールはその名の通りスティール(鋼)をカットしたもので、
16世紀から用いられ、18世紀後半から 19世紀半ばまでの間、流行しました。
当時、人気のダイヤモンドと同様に五面体にローズ・カットされ、
金属板の土台に鋲どめされました。
マルカジットと異なり、錆やすく、手入れが必要ですが金属独特のキラメキが好まれ バックルなどに多用されました。


    今日残されているアール・ヌーボーやアール・デコ時代のジュエリーの中には、
    エメラルド・ルビー・プラチナなどの高価な素材とマルカジットなどを組み合わせ、
    当時の技術の限りを尽くして仕上げられた物もあり、
    一見ダイアモンドと見間違うほどの美しい効果を見せています。

    これらの鉄製品は今日では殆ど見かけない歴史上の素材です。
    この外に直接宝飾品の加工用として使われる訳ではありませんが、
    次のものがあります。 
 
磁石合金 Magnetic alloy
主たる使い方は血流をよくする健康器具として指輪や腕輪、
時には首輪の一部として使います。
磁石合金の部分はメッキして使用する場合が多いようです。
多くの磁石合金は鉄と他の金属との合金ですが、その種類も多く、
新しい合金も次々と開発されています。
主なものにKS鋼(Fe,Co,W,Cr,C)、MK鋼(Fe,Ni,Al)、
アルニコ(Fe,Al,Ni,Co)、新KS鋼(Fe,Ni,Co,Al) などがあります。
磁石や磁性については「鉱物と物理的特性」の「磁性」の項を参照願います。
 


その他の金属 B
チタン Titanium
(元素記号 Ti)
 
金属アレルギー性接触皮膚炎を起こさないこともあり、新素材として人気ががあります。
特殊な電気処理でチタンだけで十数種類の色合いがだせるといいます。

JewelryJewelryJewelry


しかし、まだ一般には宝飾品用の貴金属として認識されてはいません。
 


その他の金属 C
アルミニウム Aluminium
(元素記号 Al)


新素材の一つです。 加工が難しいこともあって全く普及していません。


 

その他の金属 D
ニオブ Niobium
(元素記号 Nb)


やはり、新素材の一つです。 全く普及していません。
 





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