音楽と数学

音階について
ピタゴラス音階 Pythagorean tuning
純正律音階 Just intonation
中全音律音階 Meantone temperament
ウェル・テンペラメント Well-Temperament
平均律音階 Equal temperament

関連する雑学コーナー
音名と階名について音名の成り立ち階名の成り立ちピッチ Pitchセント Cent

私の書いたエッセイ
[ ドヴォルザークの「新世界」とコンピュータ ]
(ベルギー日本人会会報1996年9月号より)

<参考>古いタイプライターの画像


音階について

西洋音階として代表的なものに
ピタゴラス音階 Pythagorean tuning、
純正律音階 Just intonation、
中全音律音階 Meantone temperament、
ウェル・テンペラメント Well-Temperament、
平的律音階 Equal temperament
があります。
いずれもドレミ〜ドを確定させますが、正確には音が異なります。


ピタゴラス音階 Pythagorean tuning


ピタゴラス Pythagoras (紀元前 582-496年)は「音の科学」の祖として位置付けられます。
「万物は数である」という考えを持っていたピタゴラスは音に対して、初めて科学的なアプローチを試みました。
大きな発見は「音程は数の比で表される」ということでした。
例えば、オクターブは1:2、五度は3:2、四度は4:3などです。
こうしてピタゴラス音律 Pythagorean tuning(リデイア施法 Lydian mode)を確立しました。
「音階の調和」という発見は後に「宇宙の調和」や「天体の音楽」という考えに発展し、
ケプラーなどにも大きな影響を与えました。

ピタゴラスは現在の「ドレミファソラシド」にあたる音階をつくりました。
これを説明しましょう。

最初にモノコード Monochord という機器で弦の長さを半分にすると、
音は1オクターブ高くなることを発見しました。(完全8度)
例えば、下の「ド」が、上の「ド」

モノコードは共鳴器の上に1本の弦を張り、駒(こま)を動かして弦長を変え、
求める音高を得るなどの目的に使用されました。(下図は復元したモノコード)

ここでは判りやすい数字にするため、下の「ド」の弦の長さを12で表しました。

弦の長さを3分の2の8にすると美しい協和音「ド」に対する
「ソ」の協和音(完全5度)が出ることを発見しました。
(数学的には8は、6と12の調和平均でもある)

弦の長さを4分の3の9にすると美しい協和音「ド」に対する
「ファ」の協和音(完全4度)が出ることを発見しました。
(数学的には9は、6と12の相加平均でもある)


以上の関係が長さの短い「ド」6に対し、下図のような数学的な関係にあることは興味深いことです。
この数列はフィボナッチ数とも呼ばれています。
一般的には3分の2や4分の3の音が美しいとされていますが、
これは何らかの方法で証明されている訳ではありません。
また、厳密さが要求されるのかどうかも疑問です。
後に平均率音階のようなものが出てきた時にこれが問題になるのです。


この「ド」、「ファ」、「ソ」、「ド」の関係から他の音を決めるにあたっては
1オクターブを12分する基本的な考え方がでてくることになるのです。
12分の1が半音で、12分の2にあたるのが全音です。
他の音は、この4音を基本として、次のようにして定められました。

「レ」の音は「ソ」の音と完全4度の音
すなわち、X : 8 = 4 : 3 より、X=32/3 として、
弦の長さが定められました。

「ラ」の音は「レ」の音と完全5度の音
すなわち、32/3 : X = 3 : 2 より、X=64/9 として、
弦の長さが定められました。

「ミ」の音は「ラ」の音と完全4度の音
すなわち、X : 64/9 = 4 : 3 より、X=256/27 として、
弦の長さがめられました。

「シ」の音は「ミ」の音と完全5度の音
すなわち、256/27 : X = 3 : 2 より、X=512/81 として、
弦の長さが定められました。


上記のやり方を完全5度を基準にするやり方でも同様の結果が求められますので、引用しておきます。


ピタゴラス音階は弦の長さで決められましたが、
我々が通常聞いている音階は振動数の比で決められたものです。
(弦の長さと振動数は反比例します。)

<参考>
1度2度3度4度5度6度7度8度
半音の数101112
呼び名完全1度
Perfect unison
短2度
Minor second
長2度
Major second
短3度
Minor third
長3度
Major third
完全4度
Perfect fourth
完全5度
Perfect fifth
短6度
Minor sixth
長6度
Major sixth
短7度
Minor seventh
長7度
Major seventh
完全8度
Perfect octave
周波数比
(純正律)
1:116:159:86:55:44:33:28:55:39:515:82:1
9度以上の音程 9度のことを1オクターブ(または単にオクターブ)と2度とも呼ぶ。
以下、n×7+m度のことをnオクターブとm度と呼ぶ。度数の前に付ける言葉は、2度〜8度に準ずる。

11世紀ごろから、多声音楽が教会を中心に進展してゆきました。
「オルガヌム」Organum と呼ばれていた、一つの旋律を4度、5度で重複し一緒に歌う合唱方法
が数多く考え出されました。
このころまでは、まだ8度、5度、4度による多声音楽がピタゴラス音律により用いられていましたが、
15世紀以降、多声音楽[和声]は、複雑化していき、3度や6度の和音が用いられるようになると
ピタゴラス音律では、音楽を調子外れに響かせてしまうという問題が発生してきました。


純正律音階 Just intonation



1482年、バルトロメオ・ラモス・デ・パレーハ Bartolome Ramos de Pareja
(Bartolomeo Ramos de Pareja、1440-1491年頃)によって提案された音律は、
3度、6度の音程もきれいに響く音律であり、ルネサンス以降の音楽をしばらくの間、
支えていく音律になりました。
C-E、F-A、G-Hという長三度がすべて386セントの純正三度になっており、
ルネッサンス音楽の純正な響きを生みました。
ただ、C-G、E-Hの五度は702セントの純正五度ですが、D-Aは680セントになっています。
また全音も204セントの大全音と182セントの小全音の2種類存在することになり、
これらは、転調や移調を行う際の大きな障害になってしまいます。
この純正律の理論は、音律が、旋律の重要性とともに和声に深く関わっていく方向となり、
音楽をより和声的なものに対応した、形式に変化させていきました。

純正律音階は、ある基本音を起点として、音程が協和するように音階を決定していく音律で、
(2つの音の振動数の比が簡単な整数になっている場合
この2音が同時に鳴ると非常に澄んだ快い響きになります
この状態を協和といいます)
音階の各音を幾何学的に決定できるために純正律と呼ばれます。
長音階は完全5度を 2:3、長3度を 4:5 にします。
短音階は完全5度を 2:3、短3度を 5:6 にします。
純正律の長所は、協和する音の組がたくさん存在することであり、これは調律の容易さを産みます。
特に協和音程は耳に聴いて心地よいものです。

短所の一つは、音の組によっては、周波数比が複雑な比になるために音が響き合わないことであり、
場合によってはウルフと呼ばれる特徴あるうなりがあらわになることもあります。
もう一つの短所は、同じ音程であっても幅(周波数比)にばらつきがある、
つまり音の並びが不均等であるために、転調・移調がしづらいことです。

1939年の国際会議で、「ラ=A」の振動数は、440Hzと定められました。
この「ラ」の振動数をもとに

長音階 ファ
基音(ド)に対する比 1
(1.000)
9/8
(1.125)
5/4
(1.250)
4/3
(1.333)
3/2
(1.500)
5/3
(1.667)
15/8
(1.875)
2
(2.000)
直下の音に対する比 - 9/8
(1.125)
10/9
(1.111)
16/15
(1.067)
9/8
(1.125)
10/9
(1.111)
9/8
(1.125)
16/15
(1.067)

短音階 ファ
基音(ラ)に対する比 1
(1.000)
9/8
(1.125)
6/5
(1.200)
4/3
(1.333)
3/2
(1.500)
8/5
(1.600)
9/5
(1.800)
2
(2.000)
直下の音に対する比 - 9/8
(1.125)
16/15
(1.067)
10/9
(1.111)
9/8
(1.125)
16/15
(1.067)
9/8
(1.125)
10/9
(1.111)

という振動数の比で定まる音階を純正律音階といいます。

純正律長音階では長調で最も用いられるドミソの和音、「ファ」「ラ」「ド」の和音、
「ソ」「シ」「レ」の和音がそれぞれ4:5:6の周波数比で鳴るように美しい比になっています。
しかしながら、これら三つの和音の次によく使われる
「レ」「ファ」「ラ」の和音は27:32:40という非常に濁った響きとなります。

「純正律」は、音程を簡単な整数比に保ち、和音が完全に融合するようにした楽律です。
バイオリンや三味線、トランペットや尺八など、楽器全般に用いますが、
音程の幅は、演奏の技量及び感性(音色の好み)によって 大きく左右されます。

一般に親しまれる音楽の内でも、短調を基にする楽曲、民謡・邦楽などの楽曲は、
平均律では 解決のできない音程関係で構成されているのです。
これらの音楽は、純正律の楽器、特に民族楽器を用いると
より一層 心に染み入る 豊かな演奏ができるとされています。
さらに複雑化する多声[和声]音楽にとって、純正音律でも不都合が生じはじめていました。
それは、全音階の中に2種類の音程[9/8と10/9]があり、
転調すると音程の配列が変化してしまうことでありました。
このことは声楽曲では問題になりませんが器楽曲につかう鍵盤楽器
(オルガン、チェンバロ)では弦やパイプの音高が固定されているため細かな調整ができず、
不快な和音を生じてしまうという不都合が発生していました。
このような不都合を解決するために考案されたのが「中全音律」です。

中全音律音階 Meantone temperament



ルネサンス以降、音楽が複雑化していくなか、
1523年、ピエトロ・アーロン Pietro Aron 1480-1545 が
純正律の転調に関する問題を解決するための画期的な音律を発表しました。
これを特にアーロンの中全音律 Quarter-comma meantone(1/4コンマ・ミーントーン)と呼び、
これが狭義の中全音律ですが、より広義には様々な変化形も含めます。

この音律は、純正律の3度の音程を純正[5/4]のままにして、
5度の音程を純正(702セント)[3/2]より
5.5セント狭くしました、これにより4度の音程も5セント程、純正より広くなっています。
このように中全音律では、純正律とは異なった中全音律特有の和音の響き方がして、
転調は限られた調しかできませんが、和声の調性を特徴づける音律となりました。
中全音律により、調性がもつ音の性格が明確になりました。
調性によりその曲の雰囲気が明確化します。

中全音律の名前の由来は、純正律の大全音[203セント]と小全音[182セント]の
中間の全音[192.5セント]を採用した為であります[192.5×2=386セント]。

Quarter Comma Mean Tone Temperament
Note name Place in series Interval from tonic using quarter comma Interval from tonic using reduced fifth Approximate decimal value
C 0 1 / 1 1 / 1 1
D 2 9/8 x (80/81)2/4 52/4 / 2 1.118034
E 4 81/64 x (80/81)14/4 = 5/4 54/4 / 4 1.25
F -1 4/3 x (81/80)1/4 2 / 51/4 1.337481
G 1 3/2 x (80/81)1/4 51/4 1.495349
A 3 27/16 x (80/81)13/4 53/4 / 2 1.671851
B 5 243/128 x (80/81)5/4 55/4 / 4 1.869186
C - 2 / 1 2 / 1 2

この音律は、15世紀〜19世紀までのかなり長い間、鍵盤楽器に広く採用されていました。
とくに、フレスコバルディ、フローベルガー、バッハ、パッヘルベルなどの
バロック時代の作曲家は、ほとんどこの中全音律を使用していました。

後期バロック時代の鍵盤楽器(オルガン)奏者は、不完全5度協和音や、
完全3度協和音のある中全音律をなかなか捨て去れませんでした。
JSバッハもこの音律を好んで使用していましたが、
中全音律は指定の転調範囲をこして転調したとき
ある特定の5度の音が不快な響き[ウルフ]が発生するので、
すべての調への転調が可能な音律が求められていました。

ウェル・テンペラメント Well-Temperament


「ウェルテンペラメント」はミーントーン Meantone での音程操作を
さらに巧妙に行うことにより、適用できる調性の領域を12個全ての音に拡大したり、
異名同音の変換によって転調を自由に行えるようにした音律です。
18世紀にさまざまな音楽理論家によって数多くのウェル・テンペラメントが考案されました。
バッハの曲集のタイトルに"Well-Tempered Clavier"「ウェル・テンペラメントによる鍵盤楽器」があります。
彼が用いたとされるアンドレアス・ヴェルクマイスターによるウェル・テンペラメントは、
図のようにC-G、G-D、D-A、H-Fisの4ヶ所の五度を純正五度より6セント狭い696セントとし、
残りの五度は純正五度にしたものです。


図の右半分の狭い五度をはさんだ三度は純正三度に近づき、左半分にはすべて純正五度が存在することから、
調性により純正調的なキャラクターとピタゴラス音律的なキャラクターを持つことになります。

ヴェルクマイスター音律

1691年にアンドレアス・ヴェルクマイスター Andreas Werckmeister 1645-1706 により考案された音律です。
ヴェルクマイスターは長3度が純正に響く事が重視されていた時代に
「鍵盤楽器の基礎であるすべての長3度は純正より広く取らなくてはならない」と主張しました。
彼の調律は、J.S.バッハ 1685-1750 にも大きな影響を与えました。
「ウェルテンペラメント」の音律 Well-Temperament
( E から His まで純正な5度を用い、C(His)- E の長3度を4等分する)をもとにしています。
そこから A から H までを純正な5度に取り直します。
「 A-E-H 」「 Ges-Des-As-Es-B-F-C 」が純正5度です。
純正な長3度はありません。

キルンベルガーの音律

1779年、キルンベルガー Johann Philipp Kirnberger 1721-1783 によって考案された音律が発表されました。
キルンベルガーは、いくつかの調律法を発表しています(有名なのは第3法)。
ハ長調では、基本的な和音は純正の響きを持ちます。
しかし、調性が離れていくとピタゴラス音律のようになってしまいます。
「 Des-As-Es-B-F-C-G-D 」「 A-E-H-Fis 」が純正5度です。
「 F-A 」「 C-E 」「 G-H 」「 D-Fis 」が純正長3度です。


古典派時代の有名な作曲家である、ハイドン、モーツアルト、ベートーベンは、
これらのヴェルクマイスター音律、キルンベルガー音律のどちらかの音律を使用して作曲を行っていたようです。

平均律音階 Equal temperament



1636年マリン・メルセンヌによって考案されていた12平均律は、
1オクターブを12等分した音程で構成される楽律です。
リュート等のフレット楽器には採用されていたようで、すべての調への転調可能な曲集があったようです。
JSバッハも、音楽を構造的に組み立てやすい機能的な音律の必要性を感じていたようで、
現代では、ピアノやオルガンなどの鍵盤楽器、木琴やビブラフォンなどの打楽器、
ギターなどの固定ピッチの楽器のほとんどは平均律で調律されています。
これらは主に、演奏中 音程を変えられない楽器です。
そして、ほとんど誰もがその音を違和感なく聞いています。
ですから、ピアノやオルガンなどの平均律楽器では、オクターブを除いて
完全に融合する「純正律」の音階は演奏できないことになります。

長音階 ファ
基音(ド)に対する比 1
(1.000)
22/12
(1.122)
24/12
(1.260)
25/12
(1.335)
27/12
(1.498)
29/12
(1.682)
211/12
(1.888)
2
(2.000)
直下の音に対する比 - 22/12
(1.122)
22/12
(1.122)
21/12
(1.059)
22/12
(1.122)
22/12
(1.122)
22/12
(1.122)
21/12
(1.059)

短音階 ファ
基音(ラ)に対する比 1
(1.000)
22/12
(1.122)
23/12
(1.189)
25/12
(1.335)
27/12
(1.498)
28/12
(1.587)
210/12
(1.782)
2
(2.000)
直下の音に対する比 - 22/12
(1.122)
21/12
(1.059)
22/12
(1.122)
22/12
(1.122)
21/12
(1.059)
22/12
(1.122)
22/12
(1.122)

 

完全5度と完全4度は 約±2セントの誤差となり、実用上無視できる範囲ですが、
長3度は約13.7セント、短3度は約−15.6セントとなって濁った響きになります。
かつて、ベートーベンが ”ピアノ曲が書けない…” と悩んだ 問題の響きですが、
現代においては、多少の濁った響きは我慢して、いつ何処にでも移調・転調できる
平均律楽器の機能性が重宝されています。
しかしながら、濁った響きを 許容できない音楽の種類もあるのです。
例えば、「長音階」の基になった グレゴリオ聖歌では、振動数比が「6:7」の短3度、
「4:7」の自然7度 の音程がきわめて重要です。
平均律楽器で 「越天楽」を弾いてみると、「雅楽」とは 全く異なる音楽が演奏されることになります。
純正律に比べて平均律では、完全4度音程(ド〜ファ、ラ〜レ)は0.2%高く、
完全5度音程(ド〜ソ、ラ〜ミ)は0.2%低くなっています。
人が音の高さの違いを聞き分けられる限界が0.2%くらいだそうですから、このくらいの狂いはまだましです。
問題は、長3度音程(ド〜ミ)が1%高く、短3度音程(ラ〜ド)が1%低くなっていることです。
ここまで狂えば、調和の悪さははっきりわかります。
ピアノやギターの音はすぐに減衰するのであまり気になりませんが、
電子オルガンで、音を飾る効果(ビブラートなど)をすべて切って「ド」「ミ」「ソ」や
「ラ」「ド」「ミ」の和音を弾いてみると、汚いうなりがはっきり聞こえます。
(ヘッドホンで聞くとよくわかります)。
しかし、平均律は、転調のしやすさという大きな利点の代償として、
和音の響きの美しさを犠牲にした音階なのです。

12平均律では、調性というものが存在しません。
また5度と4度の音程は、純正より2セント程度しか差がなく
ピタゴラス音律により近い音律です。よって、平均律の3度の音程は、純正より14セントも高く
これは、かなりの不協和な音程となっているはずでありますが、すべての音程が同程度に純正で無い
ため3度の不協和でさえ耳障りでなく聞こえてしまう不思議な音律だと思います。
純正音律により考案された和声の考え方の基本は、3度音程にあります。

周波数表(単位はHz、理科年表より抜粋)
音階 C2 C1 C c c1 c2 c3
C 16.352 32.703 65.406 130.81 261.63 523.25 1046.5
C# 17.324 34.648 69.296 138.59 277.18 554.37 1108.7
D 18.354 36.708 73.416 146.83 293.66 587.33 1174.7
D# 19.445 38.891 77.782 155.56 311.13 622.25 1244.5
E 20.602 41.203 82.407 164.81 329.63 659.26 1318.5
F 21.827 43.654 87.307 174.61 349.23 698.46 1396.9
F# 23.125 46.249 92.499 185.00 369.99 739.99 1480.0
G 24.500 48.999 97.999 196.00 392.00 783.99 1568.0
G# 25.957 51.913 103.83 207.65 415.30 830.61 1661.2
A 27.500 55.000 110.00 220.00 440.00 880.00 1760.0
A# 29.135 58.270 116.54 233.08 466.16 932.33 1864.7
H 30.868 61.735 123.47 246.94 493.88 987.77 1975.5
(国際基準に基づく十二平均律音階。c4 、c5の音階は省略)
 

十二平均律での周波数比と純正音程
音程周波数比数値純正音程
完全一度1.0000001/1 = 1.0000000.00%
短二度1.05946316/15 = 1.066667-0.68%
長二度1.1224629/8 = 1.125000-0.23%
短三度1.1892076/5 = 1.200000-0.91%
長三度1.2599215/4 = 1.250000+0.79%
完全四度1.3348404/3 = 1.333333+0.11%
減五度1.4142147/5 = 1.400000+1.02%
完全五度1.4983073/2 = 1.500000-0.11%
短六度1.5874018/5 = 1.600000-0.79%
長六度1.6817935/3 = 1.666667+0.90%
短七度1.78179716/9 = 1.777778+0.23%
長七度1.88774915/8 = 1.875000+0.68%
完全八度2.0000002/1 = 2.0000000.00%
                                       

関連する雑学コーナー


音名と階名について


音符の「ド」の音は、「C(又は「ハ音」)」と言ったり、「ド」と言ったりします。
ドレミの音符を「ラ」の音を基準として「A、B(H)、C、D、E、F、G、」と呼ぶのが「音名」で、
それぞれ固有の音を指すときに使います。
日本では「A」から順に「イ音、ロ音、ハ音…」と固有の音名を付けました。

これに対して、「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」という呼び方が「階名」で、
音の相互の関係を示すときに使います。
これを「ド」から始めると長音階、「ラ」から始めると(自然)短音階になります。

ハ長調 C major scale
 
イ短調 A minor scale


音名の成り立ち


ヨーロッパでは、古代ギリシャの音名に倣(なら)い、
古くから1オクターブの12音の中で7つの音を使って音楽を組み立てていました。
その組み合わせはいろいろあったようですが、このうち標準となったものが、基準になる音(a=ラ)から、
下に向け「全音、全音、半音」の4度を2つ重ね、さらに全音1つを足すことで1オクターブが完成するという
「全音階 diatonic scale」= 七音音階の一種の手法で、ピアノの白鍵はこの音階を表しています。

      
ファ
○はピアノの白鍵、●は黒鍵に該当します。

音の固有の高さを示す音名は、この基になる「ラ」に相当する高さの音をAと定め、
上(高い音)に向かって順にABCDEFGと名前をふることで成立しました。

                                       


階名の成り立ち


ドレミ・・・という音名(イタリア音名)はどうして決まったのでしょうか?
中世イタリアの音楽教師ギドー・ダレッツォ Guido d'Arezzo (991/992-1050) が
「聖ヨハネの夕べの祈り」の賛歌(Hymunus)の各節の最初の綴り字を取り出して、
それをそれぞれの音の高さに当てはめて用いたことから生まれました。
歌詞は次のようなものです・・・
Ut queant laxis Resonare fibris Mira gestonum Famuli tuorum, Solve polluti Labii reatum, Sancte Joannes.」
始めは「Ut、Re、Mi、Fa、Sol、La」と言っていましたが、
次第に最初の Ut(ウト)が、Dominus(支配者、主)の Do「ド」と変わったと言われています。
この階名は、6音から成るため「6」という意味の「ヘクサ」から「ヘクサコード」と言われていました。
ギドーは6音による音列を基準にしていましたが、
後に現在の音階の第7音に当たるシの音には、
上の S と J を組み合わせて Si「シ」を使用するようになりました。

                                       


ピッチ Pitch


ピッチ、音高(おんこう)とは、音楽用語、音声学用語としては、
知覚される音の高さ、もしくは音の物理的な高さ(基本周波数[Hz])のことをいいます。
「ピッチ」の聴覚上の概要と物理的な意味(波数)は必ずしも一致しません。
物理的な測定によってある音の基本周波数が決定されたとしても、
倍音や部分音(Partial)のために、知覚される音高とは異なる場合もあります。

1939年にロンドンで行われた国際会議で イ音(ラ・A4・a')が 440 Hz とされました。
(通常"A = 440 Hz"か"A440"と記されます)
英語圏ではこれが頑なに守られていますが、大陸ヨーロッパではもっと高いピッチが主流であり、
特にドイツ語圏は高いピッチが好まれ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団や
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は A = 444〜445 Hz が基準だとされています。
日本では1948年に A = 440 Hz を導入する以前は A = 435 Hz を標準としていました。
現在の日本ではオーケストラや演奏会用のピアノは A = 442〜443 Hz、
学校教育や家庭用のピアノを初め、電子楽器など多くの楽器は A = 440 Hz が一般的となっています。

オーケストラでは移調楽器が多く、基準音高は、表記法にかかわらず、実音で表されます。

古楽器による演奏では、現代のA=440Hzという基準とは異なったピッチが用いられることが多く、
また音律には古典音律が用いられることが多いものです。
現在バロック音楽の演奏にあたっては、
A=440Hzよりも半音低いA=415Hzのピッチが最も一般的に用いられています。
フランスのバロック音楽には、さらに半音低いA=392Hz、
ドイツのオルガンや教会音楽では、現代よりも半音高いピッチであるA=465Hz、
古典派の音楽には、現代よりも若干低いA=430Hzが、それぞれ採用されることもあります。
ただし、これらのピッチの数値は、現代の古楽器演奏で用いられる例です。
史実をある程度反映してはいますが、当時はより多様なピッチが用いられており、
A=415HzやA=392Hzという数値は、演奏の便宜をはかるために、
A=440Hzを基準に平均律の半音間隔で設定されたものにすぎません。
実際にそのような基準ピッチが歴史上使われていたわけではないことに注意が必要です。


セント Cent


セントは、1オクターブの1200分の1の音程のことです。
音律を理論的に表示し、わかりやすくするために使われる対数値の一です。
イギリスの音響学者・比較音楽学者、エリス Alexander John Ellis (1814 - 1890 ) が提唱しました。

すなわち、nセントとは2音間の周波数比が2n/1200:1であることをいいます。
つまり、2音の周波数がf0、f1のときには、f0から見てf1は
1200log2(f1/f0)セントだけずれていることになります。
これにより、十二平均律の全音は200セント。半音は100セントとなります。
ピタゴラス音律の長2度、大全音の音程比9/8は約204セント。
音程比からセント値を求めるには、音程比の常用対数を2の常用対数で割って1200を掛ければよい。
(1200*log音程比/log2)
1オクターブ = 1200セント
十二平均律の半音 = 100セント
十二平均律の全音 = 200セント

半音の数 呼び名 5-limit tuning
(音程比)
音程の比較 (セント)
5-limit tuning ピタゴラス音階 中全音律音階 平的律音階
0 完全1度 1:1 0 0 0 0
1 短2度 16:15 112 90 117 100
2 長2度 9:8 204 204 193 200
3 短3度 6:5
75:64
32:27
316
(wolf) 275
294
294
318
310
(wolf) 269
300
4 長3度 5:4
512:405
32:25
81:64
386
406
(wolf) 427
408
408
384
386
(wolf) 427
400
5 完全4度 4:3
675:512
27:20
498
478
520
498
(wolf) 522
503
(wolf) 462
500
6 増四度
減五度
45:32
64:45
590
610
612
588
579
621
600
7 完全5度 3:2
40:27
1024:675
702
680
722
702
(wolf) 678
697
(wolf) 738
700
8 短6度 8:5 814 792 814 800
9 長6度 5:3 884 906 890 900
10 短7度 9:5
16:9
1018
996
996 1007 1000
11 長7度 15:8 1088 1110 1083 1100
12 完全8度 2:1 1200 1200 1200 1200