数秘術 Numerology

『数秘学』とは、古代バビロニアで発展した「数の神秘」を研究する学問であり、
後にギリシャの哲学者・数学者であったピュタゴラスが、現在のようなシステムに体系立てたといわれています。

彼は“この世のものはすべて数字で表わすことができる。
その数字の真の意味を理解すれば、その背後にある隠された真実を知ることができる”と説きました。
そして、“宇宙の万物はすべて振動している”を『数秘学』の基礎理論とし、
その振動を数字に変換させることで、それぞれの性質や深い意味を探究してきました。

彼の「数」の哲学を、さらに深いものにしたのは、古代の東方に伝わる秘儀カバラであり、
エジプトの神官から直接伝授されたといわれています。
『数秘学』の研究は、幾多の時代と共に、神学・錬金術・占星術・タロットなど神秘主義と結びつきながら、
「数」の意味は常に拡大されていきました。

カバラ Kabbalah


カバラとは、ユダヤ教の伝統に基づいた創造論、終末論、メシア論を伴う神秘主義思想です。
そしてユダヤ教徒が旧約聖書の解釈に用いるものでもあります。
伝説では、アブラハムがメルキゼデクから伝授された天界の秘密だとも、
モーセが律法(トーラー)に記し切れなかった部分を口伝として後世に伝えたものだともいいます。
それがキリスト教に応用されるにいたり、より神秘主義の色彩を濃くします。
3世紀から6世紀頃に始まり、16世紀頃にほぼ現在の体系が完成したとされます。

カバラ文書には、隠された真理が隠れています。
そして、それは暗号によって隠されているのです。
それでは、それはいかなる暗号なのでしょうか・・それを知ることは出来ないのでしょうか。
カバラの秘術は、以下の三つの暗号によって秘められています。
それは、
〔ゲマトリア Gematria (数秘法)〕
〔ノタリコン Notarikon (省略法)〕
〔テムラー Temurah (文字置換法)〕
です。
ただし当然のことながら、ヘブライ語の原著にあたらなければ暗号を解くことは出来ません。
日本語や英語はもちろん、ラテン語の旧約聖書を読んでも、役には立たないのです。


ゲマトリア Gematria (数秘法)



ヘブライ語又はギリシャ語のアルファベットが総て値を持つことになり、
言葉は総て各アルファベットの値を足した値を持つことになります。

ヘブライ語又はギリシャ語を数値に換算することを「ゲマトリア」Gematria といいます。

ゲマトリアは以下の手順で行います。

ヘブライ語又はギリシャ語の単語を構成する各文字を数字に置き換えます。
各数字を足します。
数字が等しい単語は同じ性質を持つとみなします。
エルサレムの聖徒たち Ιερουσαλημ Αγιων
  10+5+100+70+400+200+1+30+8+40+1+3+10+800+50=1728
1728は、144の倍数です(1728=144×12)。
ここに144という数字が出てきましたね。
 このようにヘブライ語又はギリシャ語を数値に換算することを「ゲマトリア」といいます。
ここではごく簡単に述べたいと思います。
 もう一つ、「神の群れ」(第一ペテロ5章2節)のゲマトリアをみてみましょう。
神の群れ ποιμνιον θεου
  80+70+10+40+50+10+70+50+9+5+70+400=864
この864も、144の倍数になります(864=144×6)。
クリスチャンたちを表す言葉のゲマトリアは、どれも144の倍数になるのです。
これは偶然ではありません。ここに、神の御言葉の神秘があります。
 クリスチャンを表す「選ばれた者」というギリシャ語のゲマトリアは、どうでしょうか。
これは、144に等しくなります。
選ばれた者 η Εκλογη
  8+5+20+30+70+3+8=144
そのほか、クリスチャンたちを表す次の言葉はすべて144の倍数です。
信者 πιστων
  80+10+200+300+800+50=1440=144×10
信仰 την πιστιν
  300+8+50+80+10+200+300+10+50=144×7
聖徒たち Αγιων
  1+3+10+800+50=144×6
天の御国 Βασιλεια των Ουρανων
  2+1+200+10+30+5+10+1+300+800+50+
  70+400+100+1+50+800+50=144×20
 

ノタリコン Notarikon (省略法)


ノタリコン Notarikon はカバラの一種です。
文や単語の連なりの頭文字を取って新しい単語を作ったり、
単語からもとの文や単語の連なりを復元することをいいます。
ラテン語で速記を意味する言葉 "notarius" に由来します。

キリスト教徒が祈祷、讚美歌などの終わりに唱える言葉である「アーメン amen 」は
ヘブライ語で「まことに」「たしかに」の意味です。
のちに「かくあれ」「そうでありますように」の意になりました。
「エイメン」と発音されることも多いようです。

この「アーメン」は神秘学によれば「主そして信仰に賢き王よ」と言う意味の
「アドナイ メレフ ネエマーン」
Adonai Melef Neman の単語の頭文字を、ノタリコン Notarikon と呼ばれる
省略法により合成したものであるとされています。

カバラ魔術で魔除けに使われる言葉 Agla は次の文の省略です。
AGLA = Ateh Gibor Leorlam Adonai (いつの世までも力が汝のモノであらん事を、おお我が主よ)


テムラー Temurah (文字置換法)


テムラーは、これまでの二つに比べれば簡単な暗号です。
それは、文字をある規則に則って置き換えるのです。
テムラーの例として、有名なものは下記のようなものです。
また、テムラーの別の方法として、アナグラムを使うものがあります。
これは、文字を置き換えるのではなく、文字の並びを変える事で、意味を隠す方法です。
例えば、『生きる』という意味のLIVEは、逆から読むとEVILとなり『邪悪』という意味に読めます。